2015年12月22日

ルールを破るメディア

紆余曲折の末に今日決定される、新国立競技場のデザイン。A案、B案、二つのデザインからどちらか一つが今日選択されて、やっと本格的な建設作業がスタートするわけですが、前回の反省から公平を期するためにA案、B案のデザイナーや建設主体は明らかにされずに、内容だけで審査すると言うことだったはず。ところが、デザインが公表された直後から、メディアではA案は○○建設と△△デザイナーのデザインで、B案は××建設と□□デザイナーの作品と「推定される」と事実上の発表をしてしまう。

応募したグループは明らかになっているから、そのデザイナーの過去の作品を見れば今回のデザインとの類似性も分かるだろうし、だからこの人のデザインはこちらだろうという推測は簡単にできるんだろうけど、開示しないといっているものをわざわざ公開することの意味はあるんだろうか。そりゃぁ、見る人が見れば分かることもあるだろうけど、そう言うノイズを極力排除しようという方針が決まり、それに対して多くの人も同意しての方法のはずなのに、本当にメディアって自分達の都合だけでそう言う決め毎も勝手に買えるなと実感。

今回の新国立競技場で個人的に気になっているのは、2020年のオリンピック・パラリンピック開催後は、サッカーやラグビーなどの球技中心の施設になって、陸上競技場としては使われなくなるかもと言う事。その最大の理由は、大会会さて字に必要な「補助トラック」が設置できないからというんだけど、何だかなぁ。確か、今回のコンペ以前の報道では、コスト削減と工期短縮のために、当初の8万人規模の競技場では無く6万人規模の競技場にして、サッカーW杯の時には陸上用のトラック部分にスタンドを設置するなどして8万人規模にするという話だったと言う事もあるんだろうけど、今回のデザインでは当初から8万人規模のスタンドが準備されているので、わざわざトラックを潰さなくても良いはず。何とか、陸上競技の国際大会や全国大会が開催できる施設として残して欲しいなぁ。補助トラックも、新国立競技場の外周に沿ってぐるっと半周するくらいのトラックが出来れば足りそうな気がするし。

今回のコンペの目的は、「誰がデザインした」のでは無く「どちらが望ましいのか」が選択目的のはず。そこに、入らないノイズを入れてくるメディアって、自分達の目的を自ら汚していることに気がついているのだろうか。そう言う反省が特にこの会社には無いんだろうな。

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