印刷会社の開いている時間帯を狙って格安印刷サービスをしているラクスルが、今度は中小運送会社の空き時間を利用して格安での配送ビジネス「ハコベル」をスタートさせるという記事。印刷サービスの場合、入稿データはネットワーク経由で送ることが出来るから、遠隔地の印刷会社であっても問題無いので印刷注文のバランスやオフロードなども場所を意識せずにしやすいと思うけれど、配送業務となると荷物の受け取りと配達という二つの物理的条件を満たす配送業者をリアルタイムに見つけていかないといけないから、これは大変そう。多分最初のうちは近距離の配送が主になるんだろうけど、例えば東京から九州に送るような場合には、ある程度の距離を運んだら次の運送会社にバントタッチしてリレー形式にで配送するような事が出来たら、運送会社の負担も軽くなるんじゃないだろうか。あるいは、長距離移動する配送車に混在させるとか、多分人ででやったら収拾がつかなくなるような複雑な配送であっても、コンピューターでデータ管理と進捗管理をさせたら、上手く行きそうな気がする。丁度電車とか飛行機のコントロールみたいに。
「クラウド」という言葉は、最近ではもう改めて言うのも恥ずかしいような感じになりつつあるけれど、データの共有と一括管理と言う事は、一つの手法として確立しつつあるんじゃないかと。勿論、クラウド利用のためにはクラウドたるデータストレージが必要だし、そことアクセスするための高速大容量なネットワークも必要で、それがまだ十分でないから逆にローカルに回帰する動きもあるんだろうけど、でも物理的資源に左右されずにデータ中心にビジネスを進めるというのは正しい方向性だと思う。そこに、今度は「データ」だけでなく「プロセス」も共有化し一元管理して利用しようと言うことなわけで、これが実用化されるとビジネスモデルのレベルが一つ変わるんじゃないだろうか。
さらに言えば、個々のクライアント・ユーザーも、そのうち共有化・一元化されて、自分の日々の行動パターンや考えなどもクラウド上に保管しておくこと出て、自然と必要な時に必要なサービスが提供されるような仕組みが出来てくるかもしれない。まぁ、怖い感が方をすると、そう言う効率的な状態になるように、スーパーバイザー(=コンピューター=神)が、個人の行動を知らないうちに誘導するようになるのかもしれないけれど。
閑話休題。こう言うシェアリングビジネスの仕組みは、個別の業種によって違いあるだろうけれど、全国のリソースを管理して、バランスを考えながらジョブを投げていくという基本的なところは同じはず。だから、どんな業種・産業・製品でも、やろうと思えば出来ると思うんですよね。今「一億総活躍」って言っているけれど、まずはそう言うぶらっとフォームを作って、その上で色々な業種や地方などがビジネスネットワークを簡単に構築出来るようにするだけでも、新しいチャンスは幾らでも生まれてくるんじゃないだろうか。勿論、それなりにコンサルタント能力ある人がウォッチしていて、適切な助言などは与えないとダメだろうけど。工業製品とかサービスだけで無く、それこそ農業においても、例えば供給が足りなそうな作物を早生で生産できる地域に発注するとか、過剰生産で余った野菜や果物があれば、それを利用して二次製品を作る会社と繋ぐとか。そのままだと廃棄するしか無いような物でも、そこからジュースを作るとか乾燥させるとか、やりたい会社はあるんじゃ無いだろうか。その分少しでもお金になれば、作る方も安心出来るだろうし。言ってみれば、日本の中に神経網を張り巡らして、個々で何か刺激が生まれると、反対側で反応するみたいなシステムが出来たら、もっと効率よく便利な世の中になる気がする。
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