2015年9月25日

有機EL

テレビという日本のお家芸であるが韓国に席巻されている市場の、さらに次の世代を狙った有機ELで両国の最大メーカー同士が手を取るという内容的にはショックではあるけれど、製造の世界では結構こういうことはありますよね。自分の関わる製品の中にも、ライバルメーカー製のチップやパーツは幾らでもあるし、結局そう言う混沌とした時代を勝ち抜いたごく少数のメーカーが、その市場やデバイス市場を握って残存者利益を得るという、まぁ普通の競争社会の様相。

このLGの有機ELだって、パナソニックなどのユーザーが増えて量産効果が出れば良いけれど、逆にコスト要求だってLGには複数のメーカーから掛かるわけで、決してLGに取っても美味しいビジネスとは言えないと思う。唯一幸いなのは、有機ELのライバルメーカーが存在しないことだけれど、それだって4Kの液晶パネルは幾らでもあるし、8Kのパネルだってもう出ている時代。通常の液晶パネルの3倍とも4倍とも言われる有機ELのコスト高で、売る方も買う方も厳しいのでは。

情報発信デバイスとして、この「画面デバイス」はまだまだ需要は減らないと思うから、パネル系の開発も必要だと思うけれど、私は昔からこういう物理的なパネルよりも、プロジェクター、プロジェクションで自由に大きな画面を表示出来る方が、ユーザーとしては嬉しいんじゃ無いかと思っているんですよね。問題は、輝度であったり解像度であったりするわけだけど、投射するスクリーンの品質とかも改善しているから、コストと設置の手間などが解決すればかなりいけるのではないかと。特に最近では屋外でのプロジェクションマッピングが凄く発達したけれど、本来画が移らないような建物の壁面に対してあれだけのグラフィックを投影できる技術を家庭内に持ち込んだら、結構今の液晶画面と遜色ないようなものが出来るのでは。難点は、プロジェクターだから、プロジェクション用のシャッターを小型化しつつ高画質化できるですよね。ただ、そこは自由に投影できるプロジェクターだから、1Kを4台組み合わせて4Kにしても良いわけだし、物理的な画面には生まれてしまう制限もクリアーできる気がします。次の世代の画面として、単に高解像度競争に走るだけで無く、もう少しライフスタイルも変更するようなスキームチェンジを考えてくれないだろうか。

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