2015年9月11日

鬼怒川決壊

昨日の午後二時くらいからでしょうか、民放もNHKも一斉に鬼怒川決壊のニュース一色に。多分、避難勧告からそれ程時間が無かったのか、決壊した堤防付近の家屋には取り残された人が多く残っている様子が画面に映し出され、しばらくして自衛隊のヘリコプターによる救出の様子が流れていきましたが、もうなんて言うか見ているだけで胸が詰まりますね。

印象的だったのは、濁流の中電信柱の根本にしがみつくように立っていた男性と、半分倒壊したような家屋の屋根に、ペットの犬と共に避難していた高齢のご夫婦と思われる二人。危険度から見たら、真っ先に救出するのかも思ったんですが、その回りの家屋のベランダなどに避難していた人達の救出を先ず優先したんですね。考えられるのは、まずは先に救出しやすい人達を救出して、難しい場所の人達に割ける時間を作ったんでしょうね。

最初に電柱にしがみついていた男性が救出されましたが、電柱に繋がる電線にヘリコプターが神経質になっているのが、よく分かりました。何度もアプローチを変更していましたが、現地で吹く風も強かったんでしょうね。その後、屋根の上のご夫婦の救出がありましたが、こちらは屋根に乗せていたテレビアンテナ本体とステーが邪魔になっていたようです。屋根の上に着地した救助隊員が、そのアンテナを倒そうとしましたが、ステーがしっかり張ってあったのか、少しポールが曲がっただけで障害除去できなかったので、隣りの多分流れてきた別のうちの屋根に移動して、そこからヘリコプターから降りてきたワイヤーを使いホイストで救出されていきましたが、いつその屋根が壊れないか結構ドキドキしながら画面を注視していました。

現場の状況を中継するため必要なのは分かるんですが、何台も各局のヘリコプターが救助をしている自衛隊機の回りを飛び回っていて、あれはもう少し何とかならないかといつも感じますね。共通映像で1機飛んでいれば十分じゃ無いかと。あと、現地でヘリコプターに同乗している記者が、あまりに知識が無いというか、それにはちょっとイライラしたけれど。今回それでも不幸中の幸いと思ったのは、まだ昼間は暖かい時期だから、外で救出を待つにしてもまだ耐えられるけれど、これがもう少し秋も進んだ肌寒い時期だったら、一寸耐えきれなかったかもしれませんね。勿論、この時期であっても、濡れた体で長い間外にいれば体力の消耗も激しいだろうけど。それと、電線やテレビアンテナ等、こういう場合には凄く邪魔になる事も再認識。とは言っても、コスト和考えると全て地中送電にするわけにもいかないだろうし。いろいろと複雑な状況も再認識する機会になりました。

あと、延々と結界現場の様子を生中継していたけれど、確かに救出される様子も重要だけど、それはそれで現場(=自衛隊)に任せて、メディアとしてはこれから注意が必要な場所への警告とか、被害状況とか、今後の天気予報とか、既に起こってしまったことよりも、これからの対策についてもっと放送内容をするべきでは。避難者の救助状況とか、確かに奇なる事ではあるけれど、今避難している人、今災害に直面している人達のために、放送資源や時間を割くべきでは無いだろうか。今回に限らず、災害報道に関して一度見直して欲しいと思いますね。

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