2015年9月30日

強かさと隷属

インドネシアへの高速鉄道受注に向けて、日中両国が手を上げていたものの、板挟みになったインドネシア政府が一度その計画を白紙撤回。ところが、それから余り時間が経過していないのに、中国が資金丸抱えで建設する提案をしたらしく、あっと言う間に中国が逆転受注を獲得した件。元々は日本が提案していてインドネシアも乗り気だったものが、途中から中国が有利な融資条件で攻勢を掛けてきて、板挟みになったインドネシア政府が英断で白紙にしたところまでは良かったものの、こうも急に決まるとなると実は中国との出来レースだったのではと言う気がしてきます。

今回のインドネシアの高速鉄道は、距離も150km位と短く、また最高速度も200km位の規模で、正直日本の新幹線を導入するのはどうかと個人的には思っていたけれど、その後の受注を考えての事なんでしょうね。で、インドネシア政府が板挟みになり、三方一両損ではないけれど日中どちらも白紙とした時には、あぁ身の丈に合った選択をしたなと思ったけれど、今回の様により有利な条件を引き出す呼び水だったのだろうか。

インドネシア政府としては、日中どちらの機嫌も損ねたくないし、しかしインフラ整備として必要な開発はしたい。最終的には日本もかなり有利な融資条件を出してきたけれど、実績を作りたい中国はさらに有利な条件を出してくるだろうという強かな計算が実はあったのでは無いだろうか。さらにインドネシアにはこれ以降の高速鉄道計画があるそうで、必要ならそちらでは日本案を採用してバランスを取ることも可能だし、さらに有利な融資条件が得られればそれはそれで助かるわけですし。そう言う強かさと言うものは、やはり新興国で会ったり小さな国では必要なスキルでしょうね。ある意味、日本もそういう部分を延ばしていかないと、これからの世界競争には勝ち残れないと思うけれど。

一方で、今回の件をきっかけにどんどん中国が進出してくることもあるわけで、そのまま中国の支配下に入ってしまうリスクもあるかも。ただ、インドネシアは発展途上の国とはいえ、人口も日本の倍近くあるし、それにイスラム教国ですから、中国としても近隣の中華文明影響力のある国々に対しての対応とははちょっと違うでしょうね。結構こう言う強かさが、日本とか中国とかを手玉にとって上手く立ち回るのかもしれない。

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