2015年8月6日

タトゥーと温泉

結構昔から言われている課題何だけど、最近訪日観光客が急激に増加してさらに注目度がアップした「タトゥー」の問題。日本では「入れ墨」と言えば、昔の罪人に彫った印や、某業種の方や直接は関係ないけれど権力や暴力を固持したい人が背中等に彫る物、と言うのが日本での常識。ところが、そう言う集団とは関係無く「美」として彫る女性や、海外では髪型とかと同じような感覚で一種の装飾品という見方もされているので、それに合わせて彫る人なんかも増えてきています。アメリカ人に知り合いなんかでも、多分軍関係に居た人なんかは、首筋とか指なんかに小さく入れている人から、結構半袖とかランニングになると目立つくらい方とか上腕にシンボル的に彫っている碑ととか結構居ますね。ただ、そういう「タトゥー(Tattoo)」を彫るという事が日本よりもかなり一般的日常的なアメリカ社会でも、やはりそう言うものを彫っている、特に普通に衣類を着用しても目立つような部分・サイズで彫っている人は、正直なところ一寸一段下に見られている雰囲気を感じます。

で、もう一つ悩むのが、例えばネイティブアメリカンとか、あるいはオーストラリアの原住民族など、信仰的な理由、伝統的な理由から入れる「タトゥー」。これらは、例えばアラブ系の人は男性は髭を蓄えるのが常識だけど、それと同じような理由なわけですよね。これらを日本の「入れ墨」と同等に扱ってしまうのは、やはり問題がありそう。日本人にはなかなか理解・判断が難しいかもしれないけれど、そう言う伝統的な物と、装飾的な物は区別して判断しなきゃいけないだろうなあ。

記事の中では、タトゥー部分を隠す為のテープを入浴施設側で準備して利用するという話が書かれていますが、それも一寸問題では。例えると、「あなたの顔は問題が有るから、顔を隠して入浴してください」と言っているような物だから。勿論、日本では「タトゥー=入れ墨」で反社会的なシンボルと理解されるという事を説明した上で、そう言うテープを利用して摩擦を減らして利用して貰うことに納得できれば良いんですけどね。ただ、ここでは温泉施設に関して言っているけれど、2020年オリンピック・パラリンピックは今と同じくらいの季節に開催されるわけで、プールを利用したりする人も多いだろうから、そう言うことも含めて何か方法を考えないといけないでしょうね。

一つのアイデアとしては、先ず日本人が否定している某業界関係者と思われるような図柄、大きさ、内容の入れ墨に関しては、施設側に判断して拒否できる様に条例とかで先ずは定める。また、日本人、外国人問わず、装飾的な物、あるいは伝統的な意味でのタトゥーに関しては、そのまま利用することを認めて、それは日本人等一緒に利用する人にもその旨周知させる。施設側が「利用可能」と認めた入浴者に対しての否定は原則認めない。また、例えば体中にタトゥーを入れている人とかそのデザイン・内容が過激だったり深いと思うような感情を誘発するような場合には、これも施設側の判断でマスキングテープを貼るとか、浴衣着用なら利用可能にするとか、そう言う段階的な対策も準備するとか。で、そう言う対策済みの温泉宿とか施設は、まとめて検索出来るようなサイトを準備して上げれば、かなり改善するんじゃ無いだろうか。どこまで許せて、どこからは拒否するのか、それはその場所場所、あるいはオーナーの判断で良いんじゃ無いかと思います。要するに、どういうことが可能かという情報を提供して、後は利用者の判断に任せれば良いと言う事。もし国として、あるいは官庁として何かするのであれば、そう言うインフラ整備と、後はやはり日本での「タトゥー(=入れ墨)」というものの認識をちゃんと世界に伝えるべきでしょうね。言ってみれば、日本人にしてみたら、家の中に土足で入ってくるのと同じような感覚なわけですから。それはアメリカならOKかもしれないけれど、日本では靴を脱ぐというのがルールだと言えば、ちゃんと皆さん対応してくれるわけですから。記事の最後にも書かれているけれど、何でもかんでも相手のいう事を聞くのが「おもてなし」では無いと思う。相手に譲歩して上げるのも大切だけど、その上で既存の利用客の事にも対応しないと。

0 件のコメント:

コメントを投稿