2015年8月24日

「楽びん」は楽ちんになるのか

楽天が数日前に発表した、都内一部地域が開始する24時間対応最短20分からの即時配送サービス「楽びん」。ある程度の商品を搭載した車両を地域に巡回させ、顧客からの注文が入ると、近くの巡回車から荷物を取りだして配送する仕組み。顧客にとっては24時間しかも早ければ数十分程度で注文した物が配送されるので非常に利便性は高いけれど、ネックは配送料でしょうね。配送車での受取ならば390円(2,500円以上の注文で無料)ですが、玄関までの配達だと770円と結構割高。それでも、深夜過ぎにわざわざ買い物に出かけなくても、一寸した物を玄関口まで届けてくれる付加価値は高いんだろうなぁ。

運営する楽天にとっては、まずはいかに効率よく巡回車を対象地域に配置させるかが課題ですよね。でも、これはある程度このサービスが認知されて利用者が増えることで、当然利用者の多い地域・少ない地域派分かってくるので、時間が経過すれば効率はアップしていくんでしょう。あとは、実際に顧客まで配送するスタッフとその巡回車との迎撃パターンをリアルタイムにどう最適化するかでしょうね。昔「巡回サラリーマン問題」という課題があったけれど、あれにタイムライン等新たなパラメーターを追加下面白いシミュレーションになるかもしれない。

荷物を満載した巡回車と実際に顧客に配達に行く配送車の迎撃パターン作成アルゴリズムも面白そうだけど、やはり街中に24時間営業で点在しているコンビニも巻き込むのが良いんじゃ無いかなぁ。楽天上での販売価格とコンビニでの価格差をどう処理するかとか、何があって何が無いのか在庫管理の問題もあるだろうけど、楽天にとっては品揃えが増えるし、巡回車のパターンも効率化出来るだろうし。コンビニ側にとっても、商品の回転が速くなるだろうし、場合寄ってはコミッションなんかも期待出来るかも。上手く利用すれば、平均的な配送時間の短縮に繋がるんじゃ無いだろうか。つまり、固定基地のコンビニ前提で配送ルートをデフォルトで設定しておいて、そこにその時点での巡回車の回遊パターンと重ねて、早いほう・効率的な方に切り替えていくような。また、固定基地のコンビニが想定出来れば巡回車のルートはそのコンビニが重ならない地域にシフトすれば良いので、巡回ルートの最適化もしやすいだろうし。

課題は、まずは特に深夜にある程度の注文が期待出来る「夜間人口」があるかと、どれだけの巡回車と配送車を手配して利益が出るところまで回せるかですよね。今回の運用開始も、渋谷区、目黒区、世田谷区、港区というそれなりに滞在人口が予想できる地域ですが、仮にこの地域でペイできる程度のニーズが無ければ、それ以外の地域ではさらに厳しいと言う事ですからね。ふと思ったんですが、このサービス、ホテル宿泊客へは可能なんだろうか。いゃ、仮に770円払いとしても、ホテルの高い飲み物・スナック類の価格を考えたら、とってもお得ですよね。近くにコンビニがあればそれでも良いけれど、一寸部屋で飲んでいて足りないなと言うときに20分待てば配達してくれるというのは便利かも。ホテル自体がサービスを契約して、楽天はフロントまで配達、あとはホテルが部屋まで持ってきてくれる、とか。アメリカのホテルなんかだと、部屋に近くにあるピザとかハンバーガー屋さんのチラシが置いてあって、注文すると部屋まで配達してくれるけれど、あの感覚でサービスしたらどうだろうか。結構受けそうな気がする。

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