産経新聞の記事で、非正規労働者数が2000万人を突破したという記事。一瞬、若年層の就職難が続いていると思いがちだけど(それもあるだろうけど)、男性に関しては嘱託による伸びが大きいとのことで、定年後のシニア労働力の伸びが最大の要因とのこと。ただ、嘱託による伸び12万人以上に、派遣社員が19万人、契約社員が11万人、パートが11万人と、アルバイトが10万人減ったことを除けば、全体的に非正規労働者数は伸びているのは事実。これを持ってして、某政党辺りは「正社員が減っている」というのかもしれないけれど(笑)、今の「働き方の違い」というものも考慮しないといけないのでは。
自分達の世代は、やはり安定した職場で終身雇用されるというのが最大の目標だったわけですが、日本でも終身雇用制は事実上崩れてきているし、さらにその基盤となる年功序列制度も厳しいビジネス環境を考えるとどんどん能力評価に変わってきています。良く日本の企業の競争力を高めないといけないと言いつつ、方や旧態依然とした終身雇用制度や年功序列制度の維持も要求する団体とか居るけれど、それって今の国際的な競争の中では殆ど不可能な話なわけで、無い物ねだり以上に単なる我が儘な気がします。勿論、会社や組織の中で、競争力を高めつつ安定した雇用は考えないといけないけれど、方や日本の中でも自由に職種を選択したり、あるいは自分のライフスタイルを維持するために縛られない雇用形態を欲する人も増えてきているのも事実で、そう言う働き方の一つとして「非正規雇用」を選ぶ人も居るわけです。実際問題、2000万人と言うと日本の労働人口の1/3位だろうか。その2000万人の人を正社員化する事よりも、これからも増えるであろうそのセグメントの人も、ある程度安心して安定して仕事が出来るような環境を考える事の方が有益且つ優先されると思うんですよね。本来なら、民主党辺りがそう言うことを一番に言うべきだと思うけれどね、彼らの主張を聞いていると非正規雇用者を以下にして正規雇用者にするかという話に重きがあるようで、それって一寸違うんじゃ無いと言う違和感を感じます。
自分が就職活動をしていた時から、既に30年近くが過ぎ、当時と今の様子を比べてみると、世の中のシステムも異なっているし、就職する側の意識も違う。さらに言えば、採用する側にしても今ではグローバル化を念頭に置いているから、必ずしも日本人出なくても優秀であれば海外の人材だって積極的に採用します。そう言う変化に対応出来る人材が今は要求されているわけですし、そう言う社会に対応出来る人材がこれからの社会で成功する優秀な人材なわけで、別の言い方をすると年齢は関係無くシニア層であっても変化に対応出来る人材であれば、さらに成功する可能性だってあるのが今の社会では無いだろうか。だから、定年まで勤めて後は退職金と年金で悠々自適の生活と言うのも一つの人生設計だと思うけれど、シニア層でも起業して、若い優秀な人材を発掘するようなビジネスをすれば、それって社会的にも、シニア層的にも、若年労働者層的にもWin-Win-Winの関係が構築出来て凄くヘルシーな社会になりそうな気がします。
昔は良かったというのは簡単だけど、じゃぁ昔に戻るのがベストでは無いと言うことを理解しないと。より新しいことを、寄りベターなことを続けて行くことが一番重要じゃ無いだろうか。結果、何年かたって振り返ると、あぁあの時はベストだったと後から感じるものだろうし。あの頃は... というのは、結局単なる言い訳を探して納得しようとしているだけの気がします。
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