2014年10月14日

USB? ユニバーサルスタジオ北京

テーマパークの雄、ユニバーサルスタジオが、北京に作られるかもと言う記事。ハリーポッター効果で強力にV字回復中のUSJと、最近開園したUSS(Universal Studios Singapore)に続く、アジア圏第三の開園になるんだろうか。上海にディズニーランド上海が建設中と言う事で、その対抗馬と言う事で北京に持ってきたと考えたら穿ち過ぎ?

膨大な中国の市場人口を狙ってと言う事は明らかだけど、実際にビジネス的にはどうだろうか。先に開業している香港ディズニーランドは、開業当初からずっと赤字でしたが、wikiを見ると最近やっと黒字化した様子。でも、年間来場者数が700万人未満というのはどうだろうか。日本のナガシマスパーランド規模何ですよね。香港の場合、海外からの来場者を多く見込める半面、中国国内からの来場者は制限を受けるけれど、上海の場合は中国国内の来場者数は香港よりも臨めそうだから、1,000万人規模は達成可能だろうか。テーマパークの規模も香港よりも大きくなりそうだから、香港よりは出だしは良いのかも。

ただ不思議に感じるのは、北京のユニバーサルにしても、上海・香港のディズニーランドにしても、日本やアメリカ等の同様の施設のように「リピーター」っていう固定層はどの程度臨めるのかと言う事。パリディズニーランドの欧州にしても、日本にしても、昔からディズニーの物語は子供の頃から聞いているしアニメも見ているし、だから子供世代だけで無くて、親の世代、そのまた親の世代位迄「ディズニー」という記憶が浸透しています。でも、中国の場合は多分ここ10年20年程度のスパンで入ってきている情報だと思うので、「リピート」という行為には結びつきにくい気がするんですよね。物珍しさから、一度や二度は行くだろうけれど、日本のテーマパークを支えているリピーター層のように、年に何回どころか、月に何度も行くような層っていうのは、かなり限定されている気がします。

例えばブランド品(宝飾品、時計、車、etc...)の場合は「持つこと」がステータスになるから、購買意欲は増加することはあっても、資産が無くならない限り減ることは無い。でも、テーマパークなんて言うものは、そこに行くことで自己満足する精神的な資産の話だから、他人に見栄を張れる話じゃ無いんですよね。そこが、彼らの精神的な優越感とは異なるベクトルをどれだけ良しと出来るかの。「世界観を感じ楽しむ」という娯楽方法について、どれだけ彼らは理解し受け入れることが出来るんだろうか。日本のアニメとかコスプレとか、そう言うものに近い「精神文化」だと思うんですよね。ただ、アニメとかコスプレというのは、今現実と平行して進む世界観だけど、ディズニーの場合は過去からの資産の積み重ねの上に成立している世界観と言う意味で、一寸異なるんじゃ無いかと。そこの積み重ね、経験値の少なさが、中国へのこういった欧米世界観のテーマパークを持ち込むときの難しさだと個人的には思うわけです。

入場者側だけで無く、テーマパーク側のスタッフにも実はそう言う世界観の理解が必要で、その上で彼らがその世界観の住人として振る舞うことで、この世界が完成するわけです。その部分に関しても、中国での運用ってかなり無理があるんじゃ無いだろうか。まぁ、そうやって欧米的な世界観が広まることは、あの社会が外に開かれていく一つの切っ掛けになるだろうし、そこで一番近い日本のテーマパークとの比較が生まれれば、それはそれで良いことだと思うし。しかし、省略すると「USB」っていうのが何とも...

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