「カーナビ」というデバイスは、一つは膨大な地図データ、もう一つはGPSや慣性装置を使った正確な位置把握技術という2つの要素技術が必要なため、技術難易度の高い製品だったわけですが、地図データに関してはGoogleとかMicrosoftとか一般にもかなり詳細なデータが入手出来るようになり、GPSに関しても腕時計やスマホにも入る程度の技術になってきているので、それらの組合せとも言えるカーナビ技術は、今ではスマホの一機能になってしまいました。で、Yahooが無料でカーナビ機能を提供するというこの記事。パイオニアとかクラリオンとか富士通テンとかアルパインとかパナソニックとか、幾つかあるカーナビメーカーとしては「勘弁してよ」状態じゃ無いだろうか。だって、普段持ち歩くスマホをオンダッシュにセットしたら、そのままカーナビになるわけですからね。
すでにカーナビソフトもありますが、今回のサービスはVICS対応というのが大きいのでは。画面サイズは市販のカーナビと比較して小さめかもしれないけれど、それ以上に手軽さが優りそう。既存のメーカーは次の一手をどうするのだろうか。個人的には、フロントガラスへの投影型のモニターが欲しいなと思います。今のオンダッシュ/インダッシュの画面だと、どうしても運転中に視線を動かさないといけないわけで、それってなかなか面倒。それなら、プロジェクション機能を搭載して、目の前にフロントガラスに実際の光景に合わせて移動方向を表示したり、到着予定時刻や距離情報、さらには周辺の店舗情報なんかも投影してくれたら非常に使いやすいんじゃ無いかと。また、ドライブモニター機能も追加してくれたらいいなぁ。あと、歩行者の監視機能とか、背後のモニター機能とか。
PCWatchでは、山田祥平氏が早速このYahooカーナビを取り上げていますが、なるほどなと思ったのが文中の、
「なぜ、買い替えたら負けなのか。5~10年は乗るであろうクルマのライフサイクルと、ITや車載用エンタテイメントシステムのライフサイクルが違いすぎているからだ。」
と言う部分。勿論その部分のみをオプションとして交換したり、追加する事は可能だけれど10年単位で利用する車本体に対して、数年単位で陳腐化するデジタルデバイスは確かにアンバランス。パソコンの場合も、HDDやメモリーを交換・増設する人は多いけれど、それでも本体自体も5~6年くらいのサイクルで交換する場合が多いので、そう言う意味ではシステム内部での寿命の差はそれ程感じられません。まぁ、パソコン本体の強度がその程度の寿命ということもあるだろうけど。もう一つは使用OSの更新も影響するでしょうけどね。
例えば、今は自動車を所有するよりは、カーシェアリングやレンタカーを利用することも多くなっています。で、その車に搭載されているカーナビとか利用すると、ある意味その人の個人情報=行動パターンが露出するわけで、そう言う車の利用をする人は自分の「スマホカーナビ」というのは重宝するかもしれない。車を提供する側としても、一部が陳腐化して更新するよりは、最初から10年とか利用する前提でそれだけの寿命のあるものに絞ることは効率的だろうし。モジュール化というかカプセル化というか、そう言う方向性が車の世界にももうすぐ生まれるのかも。
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