2014年8月31日

波乱の予感

今年もシーズンが始まった日本のフットボール。開幕戦となったLIXILディアーズ vs オール三菱ライオンズとの東京ドームでの試合は、失礼ながら大方の予想を裏切りライオンズが3Q途中までディアーズをリード。最後は流石に地力で優るディアーズが逆転勝利を飾ったけれど、その点差はわずかFGでの3点。しかもそのFGもゴール前まで攻め込みながらライオンズの厚い守備にTDを奪えずのFGと言う事を考えると、これは「互角の勝負」と言って良いでしょう。勿論、松元氏が解説されているように、シーズンの後半以降にチーム力を合わせていくディアーズと、一発勝負この一試合に全てを投入してきたライオンズの違いはあるにしても、別の言い方をすれば、下位チームであっても一発集中すればトップチームを陥れるだけの潜在能力はあると言うことだし、トップチームでも一寸した油断や準備不足で踏み外す可能性もある、ということですよね。特にライオンズは、昨年末に掲載されたスポーツカメラマン小座野氏の厳しい一言

「Xリーグが面白くないのは、強いチームと弱いチームに分かれているからではない。弱いチームがいつまでも弱いままだから面白くないのだと思う。オール三菱は5勝3敗、エレコム神戸4勝4敗。私ごときが言わなくとも、来季の目標はなにかはっきり分かっているはずだ。彼らの姿が来年は上位リーグで見られるようなら、リーグの前途は少しは明るくなるだろう。」

この言葉に触発されたわけでは無いと思うけれど、強い意志を見せたライオンズには先ず敬意を表したいところ。そして、同じく取り上げられているエレコム神戸ファイニーズ。こちらも初戦でパナソニックインパルスと対戦し、何とオーバータイムの激戦の末24-21で21年振りの勝利を獲得。多分関西のグランドでは、ファンは行き詰まる攻防に魅了されたことでしょうね。さらに関東の昨日の試合では、ブルズがアサヒビールシルバースターに前半リードして折り返すなど、着実に下位チームも力を付けてきていることを伺わせます。

どんなスポーツでもリーグ戦を組めば当然上位下位で力の差は生まれるし、それが固定化してますます力の差が広がる傾向が生まれることも確か。NFLではそう言うことを排除するようにドラフト制度が組まれているし、MLBにしても裕福なチームだけが勝ち残る事の無いようにサラリーキャップのような制度を設けたりしています。日本にも直ぐに同様の仕組みを入れるというのは難しいけれど、兎に角固定化しがちな上位チームに立ち向かう努力をしないことには、いつまでたっても変化は生まれません。少なくとも日本のフットボールスポーツにおいては、先ずは地道なリクルーティング活動で選手層を充実させ、選手だけで無くコーチやサポートスタッフ等も充実させ、それこそ1年に1チームずつ上位チームを倒していくような「息の長い活動」が必要になります。でも、だからといって10年、20年なんていうスパンをかけられる余裕は無いわけで、3年とか5年くらいで達成するような計画が必要。今回、ライオンズやファイニーズが昨年の反省からどの様なアクションをしてこの試合の結果に結びつけたかは分からないけれど、全てのチームが前だけで無く上も向いて進むことを考えて実行して欲しいですよね。

日本のトップチームと言われるチームは、確かに強いから良い人材も集まるし強さも維持できる要素はあるけれど、やはりそれだけじゃ強さは続くわけ無い事も確か。トップチームはトップチームで、さらに必要な行動を取っているからトップチームにあるわけで、そう言う点も下位チームは見習い実戦しないといけません。下になればなるほど厳しく大変な作業ですけど、でもやれば結果は付いてくると言う事を証明してくれた、第一節の試合であったように思います。

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