2014年7月4日

スマホの売り方

毎度お馴染み、PCWatch山田祥平氏のコラムから、SIMフリー化も含めたキャリアーのスマホの売り方について。確かに、スマホを「送受信機」と思えば、どの周波数帯をサポートしているかというが一番重要な話で、HAMをやっている自分にとってはそう考えれば一番分かりやすいこと。とは言っても、一般のユーザーにしてみれば、LTEのバンド何々がサポートされているなんて言われても分からないわけで、SIMフリー化されようがされまいが「私は○○のスマホユーザー」という括りで判断するしかないでしょうね。将来的にSIMの中に電話番号から固有識別情報から全てのデータが書き込まれて、今のMNPのような電話番号だけが移動するのでは無く、そのSIM毎他社の携帯に挿入すれば、そのまま以前の状態が再現される(異なるのは、スマホが使用するバンドだけ)という事になれば、今回の様なSIMフリー化も大きな意味を持つと思うけれど。

気になるのは、やはり海外に持ち出したときにどうかと言う事ですよね。でも、少し前までは技術的なことも有り、一度にサポート出来るバンド帯やバンド数も限定されていたけれど、今はほとんどのバンドをサポート出来るようなチップがありますから、携帯・スマホメーカーにしても、何処の地域・国用のモデルと言う作りわけをしなくて済む分スケールメリットが出ます。精々、H/W的には可能でも、その地域・国の認証を何処まで取るか(スケジュールと費用次第)で、日本ではサポートする・しないという話になるだけでしょうね。

SIMフリー化というのは、言ってみればSIMと言うコアデータの使い方の問題だと思うんですが、もう一つ、そのSIMのサイズというか物理形状の話がコラムでは出てこないけれど、現在3種類あるSIMのサイズ(標準、マイクロ、ナノ)も一般人からすると分かりにくい話です。将来的には、スマホのサイズ的なものもあり、またAppleが先行したということでナノサイズがスタンダードになるのかもしれないけれど、これだって技術の進歩によってはもっと異なる形状が標準になるかもしれない。そうなると、SIMフリー化してもグローバルで使えなくなる可能性もあるわけで、そういう部分だって気になります。技術的にそんなに難しくないと思うけれど、スマホの中にセキュアなメモリー領域を準備して、そこに今のSIMデータやその他データを保存しておくって出来ないのだろうか。スマホを変える場合には、クラウドのセキュア領域に一度アップして、それを次のスマホにダウンロードすると、そちらのスマホがアクティベーションできるようにとか。携帯キャリアーは、そのクラウドの管理とセキュアなデータアップロード・ダウンロード手段の提供をすることで、現在のSIMベースでの管理と同じ事が出来れば良いと思うんですよね。言ってみれば「ソフトSIMカード」みたいな。今現在、FeliCaやNFCを使って、クレジットカードの代替サービスをしているんだから、もう少し工夫すれば出来ない事は無いと思うんだけど。そうすれば、SIMカードの資源浪費も防げるし。さらに、そのソフトSIMのデータを複製して、電話番号だけ異なるようにして、自分のスマホを複数台持てるように出来れば、利用環境は同じで電話番号だけ異なる端末が使えるわけで、それは今の2-in-1の代用手段になるんじゃないだろうか。

昔は、海外旅行に出かけるとなると、国内専用の機器がそのままでは使えないので、思い変圧器を持参したりしましたが、今ではほとんどの機器がユニバーサル電源になっているから、コンセントの形状さえ対応出来れば、そのままハイボルでもローボルでも、電圧の切替とか意識しなくても使えるようになっています。周波数の問題は、電圧の話よりも複雑で大変だけど、暫くしたらそんな風になるんじゃ無いだろうか。それよりも問題なのは、国際ローミングでしょうね。今でも国番号も含めれば国際的に唯一の電話番号になるわけだから、世界中で気にせず使えるようなサービスを構築して欲しい。VoIPベースの通話なら既に実現しているわけですからね。SIMフリー化というのは、数多ある前進すべき事柄の中の小さな一つであり、もっと大局的に「グローバルコミュニケーション」という視点で、これからのサービスを考え欲しいですよね。2020年の東京オリンピックって、その為の試金石になると思う。

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