2014年1月2日

人材の入れ替わり

年末に産経新聞サイトに掲載されていた、外国人労働者の入国緩和についての記事。建設業界の労働力不足を念頭に、単純労働者にも入国を認めようという話なんですが、これは国内の活性化が期待出来る反面記事の最後に書いてあるように、現在国内で就職出来ない女性、シニア、非正規雇用者などに影響を与える事も必至なわけで、そのバランスはどうするのか不明です。あと、以前日系人を労働力として入国緩和した時に、経済が加工して仕事が無くなった時にそれらの労働者が一斉に解雇されて問題にもなりましたよね。そう言うことも含めて、今不足しているから緩和するというのでは無く、入ってきた人が短気で仕事だけして戻るのか、そのまま定住してさらに何か仕事を見つけて活動するのか、そう言うシナリオをちゃんと作って、可能であれば日本で定住して日本に貢献してくれるような人材発掘の切っ掛けになるのが理想なんですが。いずれにしても、東北復興、2020年のオリンピック、老朽化した国内施設の補修など、良くも悪くも建設業にリソースが必要になるのは明らかなので、先ずはその方面での手当が必要なんだろうけど。

ただ、製造業に関して言うと、汎用製品の製造はどんどん海外に出て行っていて、その部分の労働力はより高付加価値の製造にシフトするか、それが出来ない場合は転職するしか無いんですよね。日本の中小企業の底力は有名だけど、それでも自分達の持っている技術を活用して新しい製品や新しい分野、あるいは大手では出来ないニッチな分野や少量多品種高付加価値の製品に生き残りを賭けるしかなくなってきています。でも、結局どの分野の仕事であって、それが製造以外の物流であっても販売であっても、同じ仕事を連綿と続けていけることは無いわけで、多かれ少なかれよりハイレベルの仕事に進まなければ、今の状態を維持することすら出来ないのが時代の流れ。そう言う時代を認識しないといけませんね。

日本の人口減少対策の一つとして、海外らの移民受入というのも方法の一つだと思いますが、どうしても日本独自の文化や日本人の理解不足も多くて、中々難しい状態。ただ、人口規模を増やすのは難しくても、出来るだけ今の状態を維持していかないと、経済活動の向上も望めないわけで、その為にも重要な政策の一つとして認識する必要があるんじゃないだろうか。良く日本人は、「日本人は日本人」みたいな純粋性を言うけれど、その気持ちは分かるんだけど、でも「アメリカ系日本人」とか「中国系日本人」とか「フィリピン系日本人」とか「フランス系日本人」とかいう存在を認めて、受け入れていく認識が必要となる時代なんだと思いますね。日本の伝統芸能や風習にしたって、元を辿れば海外から入ってきた物、海外から伝搬してきたものが、長い時間の後に「日本独自の物」として定着しているものが多いのだから、その切っ掛けが今始まり、100年後、200年後に「ニッポンノデントウゲイノウ」になってもおかしくないはず。

逆に、最近では日本の若手人材が、シンガポールとかタイとか東南アジアや世界各地に出ていきビジネスを興したりしている用ですが、そうやって日本のDNAを広げていくというのも大切なこと。私も多少なりとも海外で仕事をした経験を持つので感じるんですが、やはり日本人の感性とかこだわりというものは、日本以外から見ると「高次元の感覚」なんですよね。勿論、それを100%入れ込むことが良い製品になる理由では無いけれど、そう言うもののエッセンスを生かすことで、既存の製品がさらに魅力的な物になることは、日本人がこれまで何度も実現してきたこと。そう言う武器を日本以外の場所で生かすというのは、日本以上にチャンスを掴めると思います。そう言う気概を持った人を、これからはどんどん外に出さないといけませんね。

変化の無いところに進化無し。

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