2012年10月10日

ダウングレードよりHyper-V

新しいOSが登場する度に、企業のIT管理者は既存資産の意地と新しい環境移行のコストと、それによる作業効率のメリットを天秤に掛けて、多くの場合は一番リスクの少なそうな「現状維持」を選択するわけですが、今回のWindows8は多分Vistaの二の舞になりそうな気がします。Vistaの時は、当時余りに高いシステムリソースの要求値と、XPとの非互換性が嫌われた理由ですが、多分今回は企業使用には馴染まない、タッチとタイルI/Fが嫌われるんじゃ無いだろうか。

一つの選択肢として「ダウングレード権」の記事がに出ていますが、それよりはWindows8はHyper-Vが動くわけだから、Windows8にHyper-Vとその上(中?)で動くWindows7環境を一つのパッケージ(追加ライセンス無し)で使えるキャンペーンをすれば、多くの企業ユーザーがWindows8環境に移行すると思うんだけど。MS的には、Windows8とWindows7の二つのライセンスを認めなきゃいけないけれど、それくらいの太っ腹を見せないと、古い環境から最新の環境へ移行しようなんていうユーザー、特に大口の企業ユーザーは思わないと思うなぁ。

今のWindows7上で動くVirtual-PCも結構使えると思うんですが、Hyper-Vならさらに安定性も期待出来るし。Windows8と言っても、中身は結構Windows7に近いから、そのまま動くアプリも多いだろうし、そこにWindows7環境がシームレスに使える設定になっていれば、単に移行用のツールとしてだけで無く、そう言う運用方法もこれからは有りだと思うんですよね。昔で言うところの"Picture-in-Picture"的な使い方で、ろいろいなゲストOSを一つの環境で使うことで、無理に最新環境に移行する労力も節約できるし。悩ましいのが、仮想システム上で必要なOSライセンスなわけで、ここについてはMSが少し大人の態度で対策してくれると、個人的には結構嬉しいんだけど。Windows8のHyper-Vでのみ使える、ライセンス料無しのWindows7インストールパッケージ見たい物、駄目かなぁ。それ単体ではインストール出来ず、あくまでHyper-Vでの利用前提のパッケージとして。

それに、Windows8は64bit版しかないから、これまでのWindows7/XPで32bit環境でのみ使っていたソフトは結構影響を受けるかもしれませんね。そう言う場合でも、Windows7の32bit仮想マシンが動けば、結構便利だと思うんだけど。MSにしても、昔はOSを売ることが最優先だったけれど、今ではWindows Live系のサービスとか、「Windowsユーザ数の多さ」が重要になってきていると思うんですよね。つまり、どれだけライセンスを砂川よりも、どれだけWindws端末を増やすかと言う事の方が重要。そう言う意味で、条件付きで複数のOS環境を同時に利用できるような仕組みを作れば、かなり受ける気がします。

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