2012年8月3日

試合戦略

オリンピックの女子バトミントン競技で、トーナメントの組み泡で有利なポジションを得ようと、わざと負けるような無気力試合をしたとして、韓国、中国、インドネシアの3カ国4組が失格になった事件。トーナメント戦では、誰と・どことあたるかで有利不利がありますから、可能であればより有利な相手と対戦するような場所に居たいのは確か。先日のなでしこサッカーの場合は、対戦相手も有るし、試合会場も移動距離が少ないメリットを考慮して、試合途中から引き分け狙いで予定通り2位通過を獲得したわけですが、一発勝負のトーナメント戦ではそういう「戦略」は有りだと思います。

サッカーの場合は、対象チームのカナダvsスウェーデンが引き分けたから、日本も引き分けに持ち込む事で目的を達せられたけれど、今回のバトミントンのように両方が負けを狙って試合するというのは試合にならないばかりか、結局はどちらかが勝ってもう一方が負けるわけだから意味が無い気がするんですけどね。

スポーツを「勝負」と考えるならば、ルールで許される範囲で可能な限りの手段・方法を使って勝利すべきだし、スポーツを「教育」と考えるならば、勝ち負けでは無く、そのスポーツを続けることで得られる経験や技術や知識を重視すべき。オリンピックは当然前者のスポーツだし、そこに参加する選手も前者の世界で活動してきた選手。だから、今回のバトミントンのような試合戦略も「あり」だとは思うけれど、もう一つ、トップクラスのスポーツ選手としてのプライドというか姿勢みたいなものも求められると思うんですよね。今回の場合は、それがまずかったような気がします。まぁ、スマートさが無い、格好良さが無い、とでも言うか。トップアスリートは強いだけでは無く、某かの「美しさ」も感じるものだと思うけれど、それは肉体の美しさだけでは無く、立ち居振る舞いとか態度とか、そういう精神的なものもあると思うんですよね。それが今回問題になっているような気がします。

4組が失格して、言い方は悪いけれど、それで対戦相手に恵まれて、日本のバトミントンチームは決勝に進出。今朝の新聞などでは、銀以上確定と大きく取り上げているけれど、当人達にとっては複雑な心境かも。時々、試合後のドーピング検査で失格になり、順位が繰り上がったりするけれど、あの場合は不正に筋肉強化剤とか使用した結果の処置で定量的に判断出来るからまだ納得できるかもしれないけれど、今回の様に定性的な判断というのは難しいですよね。結局、下手に小細工するよりは、全力を出してその結果負けるなら負ける、勝つなら勝つ、と言う方が最後は納得できる気がします。

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