2012年4月10日

SONYで思うこと

今朝のニュースは、SONYが1万人の人員削減をするという話が大きく取り上げられています。ここの所日本の経済、特にこれまで牽引車であった家電業界が不況不調に喘いでいるだけに、「SONY、お前もか」という気持ちが強くなるのは仕方ないでしょうね。自分も、新入社員で入社した時には絶好調だったのが、僅か5年後には業界の中で一人負けみたいな業績になり、早期退職制度とかいきなり目の前に出されたりして随分厳しい思いもしたけれど、今にして思えば生物の新陳代謝と同様、会社・組織・経済活動自体も好不調の波は仕方ないものだと最近では思えるようになってきました。

とは言っても、それぞれいろいろ事情はあるわけで、厳しいからハイそうですかと止める訳にもいかない場合もあるわけだし、結局日本経済としての底上げをして、セーフティネットのような形でちゃんと経済活動を支えないと駄目なんですけどね。そういう意味では、電力問題も含めてもっと政府がちゃんと立場を決めてリードしなきゃいけないんだけど、それが出来ないやれない組織に当たってしまったのが、やはり最大の不幸のようなきがします。

まぁ、そんな厳しい状況でも頑張らないといけないわけで、その為にもSONYの「中核技術(Core Competency)」をまず伸ばすのが最大の方法なのは過去の例を見ても明らか。映像と音に関するものが中心になると思うんですが、その映像技術の一つ「テレビ」で失敗しているのに、またやるのという話も。でも、テレビは映像の出力側で、映像の入力型、ビデオカメラやαシリーズのデジタルカメラなんかは悪くないわけで、そういう部分を伸ばすのが良いんじゃないかと。一般的には、現在の1080pのハイビジョンで十分というところも多いけれど、例えばこんなデジタルアーカイブのニーズは沢山あるし、多分これからハイビジョンのさらに上を行くリアリティを求める方向に進むと思っているので、そういう部分で次の勝負をした方が良いんじゃないかと。シャープも最近調子が悪いけれど、テレビメーカー各社がブラウン管を平面かしているときに、そこで勝負せずに次の液晶に投資したから、一時期の「液晶のシャープ」の時代が来たわけですからね。でも、時代はどんどん加速していて、次の技術はより高いレベルでより早いタイミングで到来するわけだから、その見極めが難しくなるのは仕方ないですよね。

いずれにしても、物理的商品はどんどん価格は下がるのが当たり前で、そこで勝負するには大量生産でコストを一気に下げるしかないわけで、その勝負をするなら、それこそ海外のコストの安い場所で作るしかない。でも、それも直ぐに賃金のコストアップが生まれて、さらに次の場所を探すというコストダウンのループが延々と続くわけで、そういう努力を選ぶか、それとも付加価値アップで苦しむか、その二者択一しかないと最近では達観しています(笑)。どちらも、ビジネスのスタイトルとして意味のある物だと思うけれど、少なくとも「技術のSONY」であれば後者の「付加価値アップ」というところに拘って欲しいですよね。それだけのものは十分に保っているわけだから。そういう意味では、SONYのWALKMANは自分にとってエンジニアとしての原点ではあるけれど、あまりその成功体験に拘らずに「別なもの」を生み出して欲しいな。本当に、そう思いますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿