関西電力大飯原発再稼働に対して、厳しい姿勢を示していた橋下大阪市長が、一転して再稼働無ければ増税もと言う話をし出してビックリ。どう言う心境の変化なのか、あるいは最初からの予定通りの言動なのか、いずれにしてもちょっと酷いなと思うこの今朝の記事。
一番原発に依存していた関西電力で、その原発すべてが停止してしまえば、総発電量の30%位が無くなるわけで、となると幾ら休眠発電所を再稼働しても、厳しいと言うことは最初から分かっていた話。それなのに、原発八策という方針を出すのは良いと思うけれど、それを再稼働の前提というような話をぶち上げておきながら、いきなり再稼働が嫌なら増税で、という話にするのもずるい展開です。
昨日も書いたけれど、再生可能エネルギーあるいは自然エネルギーは現状では「高コストエネルギー」なわけで、そう言うものがペイできる場所や条件で無ければ無意味なもの。それを普及のために、言ってみれば「補助金」漬けにするのと同じ発想なんだけど、個々で困るのは、そうやって補助金漬けにしてもすぐには原発や火力発電所の代替機能にはならないし、時間もお金もこれからかなり掛かると言うこと。その間にも、日本は経済活動は必要だし、日々の生活を送るためのインフラエネルギーは必要だし、そう言うものを無視して一足飛びに結論だけ言うのは、正直日今日だと思いますね。言ってみれば、美味しいとこだけ説明して売りつける訪問販売みたいなもの。
正直言って、去年の計画停電の時期は大変でした。いつ停電が発生するか読めないし、その為に二重三重にバックアップや対抗手段を準備して、正直震災直後の非常事態だからみんな我慢して乗り切ったけれど、あれを今年もやれと言われた困ります。勿論、「省エネルギー」という忘れかけていた大切なことを思い出して、サーバーの入替やらデータの災害時対策やら得られたことも多いけれど、やはりビジネスや経済活動にはある程度の余裕、バックラッシュが必要なわけで、その一つは安心して利用出来る電気エネルギーだと思うんですよね。今のところ、一昨年くらいの猛暑でも関西電力以外は何とか賄えるということだけど、その数値はどれだけの余裕を持った値なのか、凄く心配です。単純に、発電量と消費電力の積算値を比べているだけだとしたら、それは凄く危険。10%とかの余裕値を持たないと、例えば台風で水力発電所が被害を受けるとか、老朽化した火力発電所が停止するとか、突発的な事象に対応出来ない状態も想定しないと。それが安定した社会インフラという者だと思うし。
ロングタームのストラテジとして、脱原発、自然エネルギーに向かうのはそれは重要な事だと思います。一方で、その目標達成の積み重ねとして、ミッドレンジやショートタームのプランも重要なわけで、リスクとニーズを考えながら、必要なアクションを取っていくのがリーダーの役目。そのやり方はいろいろあるとは思うけれど、余り民衆の心を弄ぶような手法には、個人的には感心しませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿