いつものように、PC Watch山田祥平氏のコラムから、今回はMS Office OneNoteの話。MSのOffice製品は、Excel、PowerPoint、Wordの順で仕事でもプライベートでもお世話になっているけれど、OneNoteは昔いろいろと仕事で偉い目にあったことがあって、個人的には今でも使いたくないソフトだったりします。勿論、当時と比べていろいろと品質は改善されているだろうし、機能にしても拡張されていて、便利なアプリケーションに変わっているのだろうとは思うけれど、どうも昔の印象が根深いので、どうしてもマイナスのバイアスをかけてしまいます。
ところで、コラムの先頭で山田氏は、これからはクラウド上にデータを保存すべきと書かれています。これは私も同意するんですが、困ってしまうのは手元データの多さ。多重にバックアップを取っていたり、とりあえずファイルとして持っているレベルのデータなんかもあるので、今自宅のPC/NAS/バックアップメディア(リムーバブルHDDも含む)の総容量は、多分10TB以上あります。その中で、保存してこれからも使いたい・使う必要のあるデータは、ざっと見ても5TBはあります。で、今のクラウドサービスで、ここまでの容量サポートをしているところは、私の知っている範囲では無いし、仮にあったとしても、それだけのデータをアップロードするのにどれだけの手間が掛かるか... 仮に1MBytes/sec.のパフォーマンスが出たとして、一日は86,400秒だから、約86GBのデータアップロードが可能。これで5TB(5000GB)を割ると約58日となり、二ヶ月間24時間ずっとデータをアップロードし続けてやっとクラウドにデータ保管が出来る事になります。実際には、アップロードで1MB/sec.なんてとても無理だろうから、その半分とかも行かないと思うけれど。いずれにしても、クラウドコンピューティングを始めるには、このイニシャルコストというかイニシャルワークロードが結構問題のように思います。
閑話休題。コラムでは、他のオンラインドキュメントソフトやサービスと比較して、OneNoteの連携性の良さを書かれています。MicrosoftなのでSkyDriver前提ですけど、確かに我々がネットワークドライブをマウントする間隔で、あるいはそれ以上に手軽に、クラウド上のデータを意識せずに利用出来れば、これほど便利なことはない。「利便性」もそうだけど、常にバックアップが作成されるという意味で、信頼性の向上はかなり高いわけです。このあたり、Microsoftも先行しているAppleのiCloudとか結構研究してるんでしょうね。昨日からダウンロード可能になった、Windows8のConsumer Preview versionで、どこまでこれらの機能が入れ込まれているのか不明ですけど、ちょっと早めに試してみたい機能でもあります。
もう一つ個人的に心配なのが、クラウドと言っても実態は所詮データセンターな訳で、それが100%安全確実というわけではないこと。当然ながら、100%クラウドに以降下としても、そのクラウドのバックアップなりもう一つのクラウド、「シャドークラウド」とでも言うべきものも必要かな、と。個々で困るのが、メインのクラウドが例えばSkyDriveに依存してしまうと、そのシャドークラウドにそのままデータがコピー出来るかどうか分からない、仮にコピーしても今度は手元のクライアント環境がシャドークラウドとリンクして以前のように機能するかどうか保証がないこと。例えば、SkyDriveのアカウントを複数所持して、其れでデータを複製していたとしても、もしかしたらそれらのアカウントのデータはすべて同じ場所に保管されているかもしれないし、まして異なるアカウント間でデータ融通が可能かどうかも分からないし。で、結果的にローカルにデータ保存をすることになって、手元にメデイアやHDDの山が出来る、と。会社だと、テープバックアップが最後の保管メディアになる場合が多いのですが、家庭でも気軽に大容量バックアップできるようなメディアというか方法も欲しいなと感じます。それって、クラウドを使う・使わないにかかわらず。本当は、クラウドのさらに先で、自動的にそんなメディアにバックアップされていて、必要なときにデータをアーカイブしたり、場合によってはバックアップメディア自体が手元に送られてくるサービスが一番嬉しいのだけれど。そんな時代は、まだ先かなぁ...
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