2012年1月3日

視聴率

年末恒例のNHK紅白歌合戦の視聴率が発表されて、第二部が何とか41.6%と40%台を確保して関係者はほっとしているんでしょうね。今年は、紅白歌合戦の直前に最終回を迎えた、NTV系列の「家政婦のミタ」が40%というドラマとしては驚異的な視聴率を叩きだしたので、それに負けるかもと気が気じゃなかったんじゃないだろうか。ただ、自分が子供の頃のNHK紅白歌合戦と言えば、80~70%という視聴率を稼ぎ出す、文字通り「国民的番組」であり「一年の〆」と言われるにふさわしい番組でしたが、裏番組の台頭や視聴者自体がテレビ離れ・紅白離れをしてきている現在では、もう70%80%なんていう視聴率は夢のまた夢でしょうね。

あれだけ豪華な出演者を集めて、NHKという潤沢な設備を持つ放送会社が、威信をかけて製作した番組と、松嶋菜々子を除けば特に有名な俳優やタレントが登場しているわけでもない、一般的な連続ドラマの視聴率がほぼ同じというのは、明らかに前者のC/Pが悪いわけで、ビジネスの観点から見ると「家政婦のミタ」の完勝でしょうね。どちらも番組も自分は観ていないので、内容的にどうなのかは言えないけれど、でも投入したリソースに対して視聴率と言うアウトプットを比較すると、ビジネスとしては勝負はついた感じ。勿論、紅白歌合戦に投入されているリソースは半端無い規模なので、10%とか場合によっては5%位の視聴率の番組でも、C/Pは勝てるかもしれない。まぁ、視聴率の数字でスポンサー企業からの広告費が決まる民放の番組と、受信料が自動的に入ってきてそれに見合った内容・レベルの番組を要求されるNHKでは番組の作り方とか方向性も違うので、単純にC/Pだけでは言えないと言うこともあるけれど。

年末に紅白歌合戦を見なくなって久しいけれど、一つはあれだけ長時間、好きでもない歌手の歌や妙に空々しい演出を観ているのが苦痛になってきたから。それでも、Lady Gagaのステージなんかは見てみた活きもするので、そこだけ切り出して放送してくれたら喜んでみたかもしれない。言ってみれば、iTunesで音楽ソフトを購入するように、一つの番組をパッケージしてうるだけでなく、個人の好みでその部分だけでも後から視聴できるようにしてくれると嬉しい。本当なら、受信料を払っているわけだから、只で見せてくれても良いと思うんだけど。NHKだって、どうせ後からNHKエンタープライズとか子会社経由でしっかりDVD/BD化して販売して利益を上げるわけだから。紅白歌合戦というソフトの魅力と言うよりも、そういうコンテンツを以下にビジネスとしてペイさせるか、ビジネスモデル自体の問題のような気がします。

「家政婦のミタ」効果だけではないだろうけれど、視聴率三冠王を8年振りに日本テレビがフジテレビから奪還したという記事。ゴールデンとプライムタイムの視聴率で0.1%と言う僅差ですが、これも放送業界で新陳代謝が出てきているという証でしょうか。「テレビ」自体、最近では見なくなり、ケーブルテレビのスポーツ番組とかニュースとかコンテンツを選択して視聴する方向に変わりつつあり、かつリアルタイムで視聴するのではなくHDDレコーダーに録画して、自分の都合の良いときに視聴する「タイムシフト」が当たり前になってきている現代。視聴率は低いけれど、録画率とかは結構高い番組とか実は存在しているんじゃないだろうか。デジタル機器の登場で、視聴者のライフスタイルが変化しているのに、放送業界はその変化に乗り遅れている印象が強いですよね。そんなことを感じる視聴率の話です。

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