2012年1月2日

ルナメガソーラー

お正月らしい夢のある話題、清水建設が提唱する「ルナリング構想」の記事。SFの世界ではよく出てくる話ですよね。幅400kmの太陽光パネルを月の赤道面に設置することで、世界の年間消費量に匹敵する発電量が得られるという話。月面にそんな巨大な建造物を作ることが出来るのか、と言う素朴な疑問には、無人ロボットや月面の資源を利用することで、「不可能」ではないと説明しています。この記事を読んで、先ず思い浮かんだのが、小川一水氏の「第六大陸」。小説内で作るものは、目がソーラーではなく結婚し気丈なわけですが、その建築方法は地球から建設ロボットを投入し、月面の資源を利用して地球から投入する資材を出来るだけ少なくする考え方は同じ。気になる費用と工期は1500億円で10年間という設定。工期はともかく、費用はもう少し掛かるんじゃないかなと思うけれど、でもSF小説ではあるけれど結構実現可能性を感じる話だなと気に入った作品です。

そういうわけで、月面にメガソーラーを建設することは技術的に不可能というわけではないけれど、じゃぁ建設場所として月面というのは有利なのかという素朴な疑問が。例えば、発電した電力をレーザー光線なりマイクロ波なりにして地球に送電する場合、月面と地球との距離は影響しないのだろうか。また、月面の赤道面に沿って約11,000kmの太陽光パネルの帯を作るわけですが、その地盤整理だけでも結構なコストと時間が掛かりそう。必ずしも平坦な土地ばかりではないだろうし。それならば、やはり宇宙空間にパネル建設をした方が、構造的にも強度的にも有利な気がするんですよね。資源は、月面に自動化工場を建設して、そこからマスドライバーで宇宙空間に射出する、と。ただ宇宙空間に設置する場合、他の衛星・惑星・その他の影響で一が固定しないという問題点は大きいかもしれませんね。その点月面ならば安定した位置決めが出来るから、その分のメリットを考えるとベストなのかも。月面に設置した場合、太陽と反対側になる半分が発電に使えないこと、地球の食の部分に入ったときには完全に発電機能が失われることなどでメリットもあるけれど、それでも総合的なコストや安全性などを考えると月面でのメガソーラーがベストチョイスなんだろうか。

震災後「再生可能エネルギー」のかけ声で、各地にメガソーラー「電田発電」の構想が生まれたけれど、地球上ではスケールメリットも出しづらいし、天候などに左右される要素を大きいし、正直実用的ではないと思います。現状でも、通常の発電コストの何倍もの買い取り価格を設定することで、やっと太陽光発電パネルの設置が可能になっているのは、言ってみれば米価と同じように税金を投入して見かけ上の価格を設定しているわけで、いつか破綻するんじゃないかと思っています。で、同じそれなりの規模のお金を投入するのであれば、実際に競争力が生まれるような、例えばこのルナメガソーラーのような、大胆な発想の転換をしないと駄目でしょうね。

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