2011年9月2日

プリンターの立ち位置

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、先日発表されたエプソンキヤノンのカラフルプリンターについて。「プリンター」という小片装置を考えると、ホストコンピューターも含めた「コンピュータ界」で、キーボードと並んで最古の周辺装置と言っていいんじゃないでしょうか。なんてったって、昔(30年くらい前)のホストコンピューターを使うには、キーボードとコンソールで使ったわけで、コンソールは言ってみればプリンターな訳だし。昔のウルトラマンとか怪獣映画を見ていると、はき出されてきたパンチテープを見ながら「隊長、怪獣が京浜工業地帯に上陸しました」なんてやっていたわけだけど、「モニター」が登場するまでは、まさにあれに近い状態でコンピューターを使っていたわけですしね。

で、そのプリンターも、キャラクタープリンターがドットプリンターになり、文字だけでなくグラフィックも印刷できるようになり、それがさらにカラー印刷も出来るようになると、今度は小型化・低価格化が進んで家庭での印刷が当たり前の時代になり、さらにはコラムにも書かれているように写真印刷も十分な品質で出来るようになってきたのは、今更ながら凄いことだなと感心してしまいます。ただ、そういった家庭内ニーズにしても、年末年始の年賀状需要は今ではネットで一括発注したり電子メールに変わっているし、写真印刷にしても、やはりネット経由での印刷サービス、これは写真印刷だけでなくフォトブックにまで製本してくれるサービスなんかもありますから、下手に家庭で印刷するよりずっと綺麗で安い。今回、両メーカーがカラーバリエーションのモデルを出して家庭内需要を取り込もうとしているのは、焦りの表れではないかという意見は、なるほどと納得できますよね。

個人的に感じているのは、家庭内需要に於いて今後プリンターというデバイスはテレビと複合化していくと面白いんじゃないかと思うんですよね。どちらも出力装置であり、画面に表示するか印刷するかの違いしかない。で、最近のテレビは大画面高解像度が普通になってきているので、プリンターを使うときの操作性も良いだろうし。すでに最近のテレビでは、BD/HDDレコーダー内蔵も当たり前になってきていますが、もう一歩進めた「総合家庭内情報端末」として取り込むのはどうだろうか。もっとも、メカ部分が多い、インクや紙供給など消耗品管理が大変とか、正直他のデバイスと組み合わせるのは大変だとは思いますけどね。

自分のように在宅勤務をしている場合でも、実はほとんどプリンターを使う機会はなくなりつつあります。必要な文章作成はすべてPC上で実行して、渡す場合もファイルを送るだけ。まだ完全ではないけれど、昔なら印刷した紙物添付が必要な場合でも、最近はPDF添付でオンラインで処理が出来る足りしますし、本当自分のプリンターを使う機会って減りました。プリンターメーカーが危機感を持つ気持ちがよく分かりますよね。

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