2011年9月21日

知恵を絞る

自然エネルギーへの回帰が言われている最近ですが、その理想は良いけれど現実的に代替エネルギーとして置き換えられるものは今のところ無し。一種のブームにもなっている太陽電池ですら、自治体の補助金を使い、さらに買い取り価格を効果に設定して、やっとトントンになるかという状態。そんな太陽電池に革命をもたらすか、岡山大学が発表した光吸収が現行太陽電池の100倍の太陽電池。2013年の実用化を目指すという話なので、かなり基礎研究は進んでいそうですね。しかも、1KWh発電の太陽電池を造るコストが、現在の太陽電池の100万円に対して1000円位になるかもというのは単純に凄い。1000円どころか、10000円でも十分競争力がありますよね。ただ記事の中では、同じ発電量にする場合のサイズとか不明だけれど、今のように平面の受光帯でなくても自由に形も作れそうなので、家の周りの壁に張り巡らすとか、かなり融通は利きそう。少なくとも、わざわざ高価格の買い取り価格を設定しなくてもペイできる太陽発電が可能になりそうです。この太陽電池が凄いのは、赤外線領域でも発電できることで、となると現在の太陽電池のネックである夜とか曇りの時でもそれなりの発電が可能になりそうだし。

発電ではないけれど、放射性物質の処理に困る被災地に朗報というか、セシウムを99.9%短時間で除去できる技術も出てきているようです。磁力で汚染物質除去と言う技術では、こんな会社もあるようで、今のような多孔性物質に吸着させる方法よりも、残る汚染物質も少なくてすむし効率も良さそうです。今問題になっている汚染残土にしても、こういう技術で清浄化させて戻せば問題無いわけで、こういう技術を復興資金を使って実用化させることも大切なんじゃないでしょうか。そういう企業を被災地に誘致する、無償資金提供するのと引き替えに被災地復興に関して一定の義務を負わせる(得られた技術はその会社の資産として自由に使える)、みたいな事が出来ればいいんですが。日本の諺「災い転じて福と成す」 では無いけれど、起こった災害が元に戻らない以上、そこからどうすれば解決できるのか、そういう部分に集中することで、結果的にそれが日本の新しいコア技術になったり、もし別の場所で同じような災害が発生した場合でもそれに対して対応出来る力にもなるわけですし。

先日の「反原発」「脱原発」の集会では、原子力発電を止めることをアピールしたけれど、単に「止めた」と言うだけで解決するものではないですよね。仮に全ての原子力発電所を廃炉にするにしても、残された使用済み燃料や汚染された原子炉の処理など、膨大な作業が発生するわけです。そういうことに対する解決策としても、こういった技術は重要なわけで、本来ならロングレンジのテーマである「脱原発」のような事が言われる前に、どうしたら今の問題が解決できるのか、どうしたらもっと安全に利用出来るのか、そういうショートレンジの課題について、もっと資金もリソースも注目も集中させるべきだと感じますね。

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