2011年8月8日

損して得取れ

Twitter上で激論を交わしていた(これも変な話だけど... 呟きで激論って)、Softbank孫社長とクロービス経営大学院学長堀氏が直接対話した話なんですが、その中で個人的に引っかかるのが、「政商」と言われた孫氏が「40年間1円も利益は要らない」と強調したという点。この人、以前にも同じようなことを言っていた気がするんだけど、ぱっと聞いたときには流石に将来の事を考えた大英断と感じるものの、でも暫くすると「まてよ」という気も。

仮に、孫社長がびた一文お金をもらわなかったとしても、この再生可能エネルギービジネスには彼の会社も参入するわけだし、そこからビジネスとして何らかのスキームを考えるわけだろうから、となると社長一人は無報酬であっても、結果的に彼の会社が利益を得れば同じ事ですよね。ストックオプションでは無いけれど、持っている自社株の価値が上がれば、確かに直接的な金銭の移動は無いにしても、利益の移動はそこで発生するわけだし。

再生可能エネルギー、特に太陽光発電に関しては、一番間違っていると思うのが、発電コストを改善することで今の他の発電方法と競争力のある形にするのではなく、あくまでコスト高ありきで特定の価格での買い取りを前提にしたスキームに使用としていること。あれだけ批判を浴びている米価とか、補助金ビジネスと同じ事ですよね、それでは。アイデアの一部である、全国の遊休地・休耕田に太陽光発電のパネルを設置して大規模発電設備を作るというのは、良いと思うんですよね。例えば、それが非常用発電設備になるだろうし、スローライフ、エコライフみたいな形で100%自給自足、100%田舎暮らしではないけれど、ある程度電化製品の恩恵は得つつ、自然に負担を掛けない形で自然と共存するようなコロニーみたいな集団と言う形になれば、それはそれで付加価値を見いだして発電分のお金を出して移住する人もいるかもしれない。もしかしたら、上手くまとめれば限界集落対策、過疎地帯作みたいな形で、自然と融合したようなライフスタイルが生まれるかもしれない。でも、基幹発電設備にしようと思うと、余りに課題が多すぎて、それは無理だと思うんですよね。

孫さんのこれまでのビジネススタイルを見ていると、高い魅力あるゴール設定をして注目を集めて、そこに向かってなりふり構わず(手段を選ばず?)突進するというスタイルだと私は感じているわけで、それはそれで「あり」だと思います。ただ、一般道路を猛スピードで突っ走るダンプカーみたいなもので、他の車が走っていないような時に走る分には構わないけれど、結構混雑しているようなときに無理に突進されると、それは迷惑なところも多々生まれるわけで、そういうところでの不信感と言うか疑問が、今回も感じています。

本当にボランティアとしてやるのであれば、基金だけ出してNPOなりを設立すればいいわけだし、ビジネスとしてやりたいのであれば正々堂々とビジネスプランを作って自分もこれだけの利益(ビジネスチャンス)があると言えば良いわけだし、その両者のいいとこ取りだけして何か美味しいところだけを見せているようなところが、漠然とした不信感を感じさせるんだろうか。「損して得取れ」なら良いけれど、「孫氏で、得取る」にならなきゃ良いけれど...

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