2011年5月27日

メガソーラー by Softbank (2)

Softbankの孫社長による「メガソーラー計画」に、早速地元の川勝知事が「日照時間において静岡は天下一。ピッタリ。広大な土地もあちこちにある」と言ったらしいけれど、ほんまかいな... 中部電力は清水にメガソーラーを建設中で、ここが17万平方メートルで8,000kW。で、Softbank版メガソーラーは50ha(=50万平方メートル)で2万kWだそうですけど、清水の三倍近い場所なんて、何処かにあっただろうか。「休耕田や放棄地を利用して」とは言うけれど、そういう場所がそれだけの面積でまとまっているかどうかは分からないし。まぁ静岡県なら、富士山の裾野辺りにソーラーパネルを敷き詰めるという方法はあるかもしれない。富士山が噴火したら全滅するかもしれないけれど(これこれ)。

こういう時期なので自然エネルギー、特に日本のお家芸でもある太陽光発電に注目が集まるのは良いのだけれど、こと原子力発電の置き換えとなると個人的には疑問符が付きます。原子力発電の場合、一定出力の電力供給が出来ることが強みでもあるし弱点でもあったわけですが、全体的に必要な供給量の基本的な部分をカバーしていた発電のはず。その上で、火力発電や水力発電で、ピーク時にはフル操業して供給量を増やすし、足りない場合には止めてと言う調節をしていたはず。だから、原子力発電の代替ということを言うならば、安全性は勿論重要だけど、発電量にしても発電の安定性にしても、それなりのものでなければ代替にはならないはず。文字通り「お天気任せの発電」では、困ってしまうわけです。勿論、例えばリチウムイオンバッテリーを大量に準備して、そこに常に蓄電して足りなくなったら放電するという方法も技術的にはあるだろうけど、実際に何万kWもの供給を賄えるだけのバッテリーを準備するとしたら、どれだけの規模・コストがかかるかという話は聞こえてこないし。それに、ソーラーパネルにしてもリチウムイオンバッテリーにしても、レアアースに依存する部分は多々あるわけで、となるとじゃ日本は大丈夫なのか、と言う話もあります。

私個人としては、少なくとも発電に関わるコスト、安定性、大出力等の理由で、まだ当分は原子力発電というのは電力供給の中心だと思っています。ただ、確かに今回の震災でいろいろな問題点も見えてきたわけで、現状のまま既存の設備を利用していく、というのは問題だとも思っています。今は福島第一原発で手一杯ではあるけれど、例えば同じような条件で震災に遭遇した女川、福島第二等の原発では、じゃなぜ福島第一とは違う結果になったのか、そのリサーチというものをちゃんとやる必要があると思うんですよね。最近になって、福島第一は実は津波被害の前に地震で機能損失が発生していたということも分かってきたけれど、となると最近言われている防波堤対策だけじゃなくて地震対策もさらに必要なのかもしれない。また、原子炉の老朽化も今回言われているけれど、それならば最近の寄り改良された原子炉に切り替える必要があるかもしれない。実際浜岡では第一・第二を廃炉にして、第六を作ろうとしているわけですが、全国的に古い原子炉を止めながら、より安全な原子炉に移行して、段階的に原子炉の数を収束させていく、という考えも必要ではないかと。まぁ「新しく作る」というと、今の状態では直ぐに血圧が上がる人も多いかもしれないけれど、でもよりリスク低減するという意味では、また同等の代替案がないのであれば、そういうやり方も方法の一つだと思うんですよね。

震災から二月半が過ぎ、まだ福島第一ではとても収束したとは言える状態ではないけれど、当初の何がどうなっているか分からない状態と比べるとかなり情報も増えてきました。そこから、事故に至った原因を明らかにすると共に、じゃどうしたらいいのか、どういうことをすれば今後の危険回避になるのか、と言うことを考える時期になってきたと思います。メガソーラーも良いとは思うけれど、でももっと現実的な考えも必要なんじゃないだろうか。

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