2011年2月15日

GDP

昨日は一日「日本のGDPが中国に抜かれて3位に」というニュースが飛び回っていましたが、まぁ悔しくないかと言われれば悔しいけれど、数年前から言われていたことですし、そういう意味では予想よりも少し遅かったんじゃないんでしょうかねえ。まぁ、統計上の話なので、いろいろ視点を変えればとっくの昔に抜かれていたと言う話もあるようだし、逆に一人当たりGDPなんかで言えば、まだ10倍位日本の方が上な訳ですけど。

まぁ、負け惜しみも込めて言えば、日本が西ドイツを抜いてGDP 2位になったのが43年前。以後、流石にアメリカを追い抜くことは出来なかったけれど、世界経済の中心だったことは確かで、これからもそれなりのポジションを維持していくことは間違いないだろうし。確か、フランスとかイギリスは日本の半分くらいのGDPだったけれど、それ以上の存在感があります。そういう存在にならないとね。ただ、そうでなくても「気持ちはジャイアン」「気持ちはスネ夫」みたいなやっかいな国が隣に居たりするのが困りものですけどね。

もっとも、昇り龍の中国にしても、その後にはインドやブラジルなんていうさらに勢いがある国が控えているわけで、押さえてはいるけれど色々問題を抱える国としては、これからが大変なんじゃないだろうか。世界の工場としての地位は、しばらくは安泰だと思うけれど、それでも"China Risk"を回避するために、東南アジアや他の地域に移る動きもすでにありますしね。日本としては、近場の大規模消費地として、上手く利用していくのがこれからの生き残り策だろうな。その為にも、「量より質」の製品をこれからも作る気持ちが無いとね。多分、よほどのロボット革命とかでも起きない限り、国内生産で人件費で勝てる時代ではないですからね。無人化というのは日本の産業界が達成した大きなマイルストーンの一つだと思うけれど、そこからさらに付加価値をどれだけ付けていけるか、難しいけれどそういうビジネスを今後はしないと。

これから伸びて来るであろう新興国を見ていると、やはりそれなりに国の広さもあるし、人口もあるし、天然資源もある国ばかり。狭い国土、人口減少、天然資源無しの日本だけど、それでも少なくとも二つは有望な資源があると思います。一つは、最近外資による買収でも話題になっている「水資源」。これは、淡水化技術も含めて、これから世界に売っていける大きな商品だと思うんですよね。もう一つは、海洋資源の利用。魚介類だけでなく、排他的経済水域も含めた海底資源利用とか、これはこれから伸びてくるだろう新興国にはない資源だと思います。ただ、その「海資源」に関しては、「隣のジャイアン」と鬩ぎ合いをしているわけで、となるとGDPでは抜かれたとはいえ、それなりに日本としても態度で示さないと。ロシアに対して言うだけの半分でも中国に対しても言えればねぇ...

これまではアジアの中ではダントツのトップ、世界の中でもトップツーにいたわけだから、相手が日本に合わせてくれました。だから、日本的な考え方とか日本的なやり方も、時には相手の譲歩を得たかもしれないけれど、今後は相手の土俵で相手のルールで試合をしないといけないわけです。そこでは、日本的な考えは捨てて、相手の立場で相手よりも利口に立ち回らないといけないわけで、そういう意味ではこれからの日本は「変わらないといけない」と感じますね。

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