2010年7月1日

世界標準は英語か

ITmediaの記事から、楽天が世界企業目指して社内公用語を英語にするという話。自分も「外資系企業」に25年以上務めていて、しかも配属先が最初から開発部門で、仕事の相手は90%以上がUSと言う状態で社会人生活を始めたから、最初から「英語ありき」の世界。まぁ最初は泣いたけれど、2~3年もすれば何とかなるもんですよね。で、4年目に半年以上の海外出張を経験して、そこで一気に英語のスキルがアップして、未だにその時の遺産で何とか食いつないでいる状態なんですが。まぁ社内公用語を「英語」にというのは、商売相手や社内人口で英語使用者が過半数を占めているなら良いけれど、そうでない場合にはちょっと困りますよね。

自分の経験を踏まえて思うのは、グローバル化のために英語中心の環境にするのは良いのだけれど、とは言っても日本にいて日本のお客様と仕事をする場合には当然日本語で会話しなきゃいけないわけで、その時に変に「社内英語化」してしまうと、どうしてもその癖がお客様に対しても口から出てしまい、妙な日本語になってしまうこと。例えば、やたらと英語みたいなカタカナ用語を連発したり、あるいは社内で使用される用語や省略語をお客様の前で使ってしまったりとか。だから社内の意思統一、グローバル化のために日本語以外の言語を共通語・公用語として設定して推進するのはよいけれど、それをする努力以上にローカルのお客様あるいは取引先等との会話がおろそかにならないように注意しないといけないと思うんですよね。例えば英語の勉強をするのはよいけれど、それと同じくらい日本語に関しても注意しないと、「レイティストモデルのセリングプランについては、アカウントレップからコミュニケーションさせますので。」とか訳の分からない会話になり、お客様から不信感しか生まれなくなるような(いゃ、ほんと冗談じゃないですぜ)。

子供の英語教育に関しても同じような感想を持っているんですが、その子供がずっとアメリカで生活するならまだしも、例えば通常は日本にいて日本で生活して、でも将来世界にでて活躍したいのであれば、やはりその子供の基本というか根幹となる部分をまずしっかり育成する必要があると思うんですよね。だから、個人的にはまずは日本語の言い回しとか文化をちゃんと教えるべきだと思うし、逆にそこから英語を勉強するのであれば、英語-日本語の翻訳能力ではなく、英語としての文化を学ぶ事から始めた方がよいと思うし。それがちゃんと出来れば、多分TOEICの点数がそれ程無くても、仕事を遂行する上でのコミュニケーション能力はぐっと高くなると思いますよ。沢山の単語を知っていて、文法的に正確な会話・文章がかけることは大切だけど、それ以上に何を言いたいのか、何を伝えたいのか、そう言う気持ちの部分が、仕事の時も含めて相手のコミュニケーションでは一番重要だと思う。そのためにも、どんどん外に出ていろいろな人と会う機会を作ることが一番効果的だし大切なことだと思います。

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