2010年2月22日

靴紐の危機管理

男子フィギュアスケートの織田選手。バイクの飲酒運転での謹慎から、やっとオリンピック出場という切符を掴み捲土重来の時と思ったら、靴紐が演技中に切れて不本意な結果に。まぁ、不運と一言で言ってしまうのは簡単だけど、でも今回の靴紐の権はちょっと腑に落ちない話でもありました。私は高校までずっと陸上競技の短距離をやっていたので、スパイクは一番重要な道具。靴紐が試合中に切れることはなかったけれど、試合前には新しい靴紐に交換したり、あるいは良い記録が出たときのひもを取っておいて、それを試合専用の靴紐として毎回使用したりしていました。

今回は、靴のフィーリングが変わることを嫌って、切れているのを承知でそのまま使ったという報道ですけど、何でそんなことをしたんだろう。テレビで、織田選手や銅メダルの高橋選手が利用しているスポーツ店の店長さんが登場していて、新しい靴紐はこれだけ伸びるとテレビで見せていたけれど、あれだってある程度使ってエージングしておけば問題無いはず。現に高橋選手は月に一足くらいのペースで靴を替えると言ってましたし。

自分が現役の頃は、どのスポーツでも道具やユニフォームは高価なものだったので、長持ちするように日々の整備は欠かせなかったし、多少傷とか不具合があっても何とかして延命しようとしたので、今回の気持ちも分からないではないけれど、でも一番重要な部分でもある靴紐が切れかかっていた・切れていた事を知りながら本番に臨んだのは軽率というか判断ミスだろうなと思います。

ここでビジネスの話に強引に持って行くのは無理があるかも知れないけれど、ビジネスだって言われたこと・予定されたことを正確に実行するのは必要な能力だけど、でもそれだけじゃ結果はでない場合が多々あります。どうしても予想外の事は発生するし、ミスもある。そこで、そういうことをあらかじめ予見して何らかの対策を準備しておく、臨機応変に対応出来る能力が要求されるわけですけど、個人的に重要と思うのは予見能力、危険回避の本能みたいなものだと思う。臨機応変に問題に対処することも大切だと思うし、そっちの方が何となくVisibilityも高いように思えるけれど、でもまずはそうなる元を回避するのが本当の実力なんじゃないかと。そういう意味で、今回の織田選手の靴紐は「何とかなるだろう、何とか出来る」という己への甘えが根本にあったんじゃないかと、個人的には感じたトラブルです。そういう精神的な部分が成長しないと、全てがマッチしたときには大当たりするけれど、そうでないときにはパットしない一発屋的な選手で終わってしまうような気がします。まだ若くて将来のある織田選手がそうならないことを祈って...

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