2008年7月22日

データ保存

鎌倉中期から室町時代に書き写されたと思われる「源氏物語」の写本が確認されたというニュース。1000年は行かないけれど、何百年、600年とか700年くらい前の記録が、ほぼそのままに残っているというのは凄いなと思います。写真でしか分からないけれど、白い紙の色も綺麗だし、墨も黒々しているし、当時の製紙技術とか墨を作る技術の高さも感じられます。こういう物理的記録メディアは、簡単にコピー出来ない不便さはあるけれど、ちゃんと保管すれば何百年も記録を保持できるというメリットはありますよね。 私は仕事柄パソコンとかネットワークに依存した生活をしているわけで、データに関してもどんどん電子化して利便性を進めるべきだと思っている反面、こういう「記録を残す」という点に関しては不安を感じるんですよね。ネットワークのどこかにあると言うことは、どこかのサーバーに存在しているというわけだから、そのサーバーが壊れる、あるいはデータが何らかの理由で喪失すれば貴重なデータも消えてしまう。バックアップという手はあるけれど、それだってその記録メディアが破損すれば読み取れなくなる可能性も大きいでしょう。まぁ、物理的記録であっても物理的な破損があればデータは喪失するわけだけど、それでも一部でも回復出来る可能性は高いんじゃないだろうか。 「書籍」とか「文書」というメディアによって、現代の我々は何百年も昔の様子をうかがい知ることが出来るんですが、これから何百年も先の人たちは、どうやって「今」の事を知るんでしょうか。記録メディアとかサーバーの片隅に残留した、様々なメディアが発信したデータの断片をつなぎ合わせて、「あの当時は"iPhone"という原始的な通信データ管理端末がブームになり」とか批評されるんだろうか。先日の毎日新聞"WaiWai"じゃないけれど、とんでもないデータ同士が間違って結合されて、とんでもない歴史批評されていたりして。

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