備蓄米の放出で5kg/2000円台でのお米が物流に乗り出し、少しだけだけれど一般のブランド米などの価格も下がってきた様子。個人的想像ですが、今回の放出などの話が出てくる前後くらいに製品として精米されてストックされていたような「一般米」だと、賞味期限などの事もあってそろそろ売り切らないといけない状況なんじゃ無いだろうか。となると、多少の利益を犠牲にしても、先ずは在庫分を処分して、その後は備蓄米や消費者動向を見ながら、価格調整と出荷調整をしたい、と言う所なんだろうなぁ。ある意味「小泉効果」が出てきていると言えるのかもしれないけれど、かと言ってこのまま価格が下がって以前の2000円台に戻る事はないでしょうね。
一部地域では、お米の二期作も出来るけれど、基本的に稲作は一年に一回の仕事で、しかも州各時期も9月から11月位までと限定されている。つまり、今年収穫されたお米で来年消費を賄うしか無いけれど、そこで余ればまだ市場に安く出てくる可能性はあるけれど、足りなくなると今回の様に備蓄米を出すことも厳しいだろうし(今回放出してしまったから)、海外からの輸入となると色々抵抗もあるだろうし。今年の初め頃に、あれだ価格が高騰していると言われて、1個1000円を超えるような価格にもなったキャベツなんかは、今は100円位で売られていて10倍の価格差はお米以上。ただキャベツなど野菜類の場合は、国内の色々な場所で時期や種類を変えてある程度年勘途切れなく出荷出来るように工夫されているからこういうことも可能なんだろうけど、そういう自由度というかフレキシビリティはお米には無い。今回の様に米不足が予想されるのであれば、余ることを覚悟して多めに作らないといけないけれど、そうなればなったで政府とか農水相は文句を言われるんだろうなぁ。
今回の小泉米の評価は色々あると思うけれど、一つ評価されるべき事は、生産者から一般消費者に届くまでの経路が明らかになりつつあることでは。課題なのは、その経路が一つだけでなくて、一年間蓄えたお米を過不足無く市場へ流通させるために、途中に所謂「バッファー(緩衝会社)」が多段階(最大5次取り次ぎまで?)に存在していて、それ故によい点もあるけれど途中での利益確保のために、価格が膨れてしまう事も課題なんでしょうね。最近では「産直」という事で、ECサイトも発達してきているので、今回の経験を機会にお米の直販を試してみる米農家も増えるかもしれないけれど、逆にそうなると巨大なバッファーが無くなることで、今以上にお米の供給が不安定になり価格も高止まりする機会もかえって増えて、「JA何とかしろ」と都合良くまだ責任を転嫁されるようになるかもしれない。
何度もここでぼやいて(呟いて?)いるように、100%完璧な答えなんて言うのは無いんですよね。しかも、予測できない「自然」相手の話となると、 更に不特定要素が大きくなるから、若しかしたら稲作が全く期待出来ない状態になる可能性だってあるかもしれない。今回個人的に意外だったのは、実際のお米消費量は年々減っているのに、メディアなどでは盛んに「お米が食べたい」とか「お米は日本人の主食」みたいな報道をして煽っている気がする事。インバウンドの増加みたいな、以前には無い要素も有るかもしれないけれど、それでも今回の騒動は「生産量が足りない」話では無く、色々な要素から価格が高騰している事、なんですよね。その中には需要と供給という経済活動では当然の要素も大きい気がします。とはいっても、その対象が日本時にとってはある意味聖域的な「お米」なので、政府としても二の手三の手と対策を継続して沈静化しないといけないことに変わりない。ただ、単に政府を責めるだけでは解決しない問題でもあるなぁと感じます。
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