国内の米騒動に関係して、お米の輸出の話題もちょっと登場してきます。例えば、足りなくならないように余るくらい作って、余ったら輸出に回せばよい、みたいな少々乱暴な言い分。現在輸出に成功していると言われるような、例えばイチゴとか抹茶とか、そう言うものだって決して国内で余っているから輸出しているわけではなく、より付加価値を付けて輸出経費なども含めて高値でも売れるような形にして出しているもの。「余ったら輸出」なんて言う言い方は、そもそも成り立たないビジネスモデルだし、だいたいそんなもの買ってくれるところも無いだろうし、それで押しつけたら相手に対しても失礼。輸出に重きを置くのであれば、輸出してもペイできるだけの付加価値をちゃんと考えないと駄目なことは明白。
そうなると日本のお米は非常に不利になると思うんですよね。まず「主食」として、日本などアジア圏ではメジャーな存在だけれど、それ以外の欧米では殆ど利用されない食材だと思います。自分が知る限りでは、欧米だと「ライスプディング(Rice Pudding)」があるのと、フランス料理だったかな、サラダの付け合わせみたいな形で使われる事があるくらいかなぁ。後スペインのパエリアか。つまり、デザートだったり付け合わせだったりするわけで、当然消費量は微々たる物。だいたい二本からのお米の輸出額が、年間4万tだったかな。年間生産量の0.7%なんですよね。輸出分を全て国内に向けても、今回の備蓄米1回10万tにも及ばない。想像するに、海外に日本から出店している、日本企業のお店向けなのかなぁ、と。
「日本のお米の美味しさを知ればきっとみんな好きになる」みたいな話もよく聞くけれど、それはおかずが和食の場合で、例えば同じカレーでもインドカレーとの組合せはあわないと思うし、やはり日本のカレーでなきゃあわないと思う。海外で市民権を得ているような「牛丼(Beef Bowl)」にしても、長粒米(インディカ米)のパサパサしたご飯だと汁気とあわないから、どうしても日本のお米(短粒米)か、せめて中粒米と短粒米を混ぜるくらいの工夫をしないと、丼物の最後に汁気を吸ったお米の美味しさにはならないと思う。それだけニーズが無いところに、炊き方が面倒となれば、パン食が中心の欧米では中々流行らないだろうし、幾ら炊飯器が利口になっても、その必要性を感じない日本人以外の人には無意味な機能になってしまうし。唯一個人的に可能性がありそうだと思うのは、スペインのパエリアみたいな感じで、日本の炊き込みご飯をメインに押したらどうだろうか。和食系だけでなく、ピラフみたいな感じになるものとか、カレー風味とか、クリームシチュー風とか、結構ドリア系なんかは受ける気がするけどなぁ。ただ、パエリアは生米をそのまま入れて炊けば良いけれど、やはり日本のお米は親水作業が重要で、そこまで全自動でやっくれる炊飯器みたいなものが必要になるし、そうなるとますます敷居は高くなるかなぁ。
備蓄米の方式が現在形に変わったのは、あの民主党政権時代だったらしく、保管後も主食用として利用する事から保管期間を延ばして最後は飼料用にしたり、300万tの備蓄をそんなに必要無いと100万tにしたのも当時の民主党なんですよね。で、その民主党の末裔の立憲民主党や国民民主党が今の備蓄米を批判するのって、厚顔無恥というか、その場凌ぎというか、ご都合主義というか、行き当たりばったりというか、(以下略)。これも彼らが得意な、ある意味「ブーメラン」だろうなぁ。個人的には、当時の民主党政権が政権の主要公約として無理矢理実行した「事業仕分け」で予算を削られて、その後の災害対策とか社会生活に大きな影響が出たことは大いに罪深いと思うけれど、こう言う細かなところも後々影響してくるのも困ったものですよね。
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