2025年6月12日

米から麦へ

PRESIDENT Onlineの記事から、世間が米不足を騒ぐ中、実は今の日本は完全に「米離れ」をしていて「小麦文化」に変わっているという話。 60年前との比較とは言え、最初に掲載されている、米・パン、麺の比較はちょっと衝撃。県庁所在地での比較なので、多分同じ都道府県内でも周辺地域よりも米離れが大きいとは思いますが、それでも米の支出額がパンを上まわるところは一つも無いというのは、ちょっと衝撃。

1965年と2024年で比較すると、人口は1965年は1億人は届かない9795万人に対して、人口減少が言われる2024年でも1億2380万人。1965年当時は、確かに毎食ご飯というのが普通で、パンを食べるのは学校の給食とかの時位。それでもうちはこの頃から母親が喫茶店を始めていたので、お店で出すパン(食パンやロールパン)を食べていたからパン食の割合は多い方かも。麺類にしても、うちは余りうどんとかそばを食べる方では無かったと思います。それでも、パンよりは食べる機会が多かったかな。そんな状態から、この60年間で食生活も代わり、例えばこの1965年以降、ハンバーガーショップとかピザ店がチェーン店で開店するし、麺類で言えばラーメンが「国民食」と言われるまで一般的になったことも大きいでしょうね。

1965年のお米の生産量は、1218万tとの事。これは今の倍近くの量を当時は生産していたことになります。調べてみたら、お米の収穫量の最大値は1967年の1445万tらしいので、いかにこの60年間でお米の消費量が減り、それに伴って生産量も減ってきているのか改めて実感します。一人当たりの米消費量も、1965年当時は約112kgだったものが、2024年では約58kg位らしく、ほぼ半減しているのは生産量の減り方と一致しています。今回の米騒動では、政府の減反政策を批判する意見もあるけれど、この減り具合を見ると減反政策を進めて生産効率を上げていないと、逆に米価格が暴落して米農家が激減していて、もっと米不足になっていたかもしれないと感じます。

記事の後半では、日本だけで無く同じ「米文化」のタイ、中国、韓国、台湾も同様に「米離れ」の傾向を示して、流石にタイは4割位で横ばいになっているけれど韓国や台湾は日本以上に米離れが進んでいることを示しています。どこの国も3~2割位で暫くは安定するだろうけど、米に対する郷愁を感じる世代が今後どんどん鬼籍に入っていくに付けて、ますます米離れは進むというのはある意味自然の摂理かも。逆にそこまで行くと、希少性だったりが付加価値になり、また人気が戻るかもしれないけれど、個人的にはやはりお米を炊くまでの手間と比べて、直ぐに食べられるパン食の優位性は変わらない気がします。所謂パックご飯が今よりも低価格で炊きたてご飯に遜色ないような技術、しかも専用の入れ物では無くパンのように手軽に購入出来るような形になれば面白いけれど。それこそパン屋さんが店頭にパンを並べるように、お握りみたいな感じで「炊きたてご飯」が店頭に並ぶようなビジネスモデルって無理だろうか。まぁ、パン屋さんの過当競争も厳しいから、もっと厳しいかもしれない。そう考えてみると、東南アジアの屋台文化というのは、出来たて作りたての食事を手軽に食べられる、進んだ形式なのかもしれない。

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