2025年3月4日

泊食分離とキッチンカー

少し前にも佐々木俊尚氏が取り上げていた「泊食分離」による、「夕食難民」問題。記事では、宿泊施設側の経営者が高齢になり、食事まで手が回らない事が理由として挙げられているけれど、もう一つインバウンドに関して言えば、彼らは日本の旅館や民宿のような「食事付き宿泊」というシステムに慣れていないというか、それを「コストアップ」と考える傾向が強いと思うので、そう言う意味でもインバウンドが増えているところでは早晩こう言う問題は深刻になると思う。

日本人感覚からすると、寝るところと朝夕の食事が付いてセットの価格になっていると、何となくお得な気がするし、夕食に関しては地元の名物なんかも出るだろうから、それも魅力に映るでしょう。でも、海外の場合特にアメリカ等は、大きなホテルにはレストランが入っているところも有るけれど、基本食事は朝提供するくらいで夕食に関しては外に食べに出るのが普通。ホテル内レストランやルームサービスがあっても、メニューは凄く限定されているし、それ程飲食で利益を上げようと思っているところは少ないというか殆ど無いんじゃないだろうか。勿論、中には星付を歌うようなレストランが入っているホテルや、地元でも有名なレストランが入っている場合もあるけれど、日本の旅館・民宿形式のホテルは無いと言って良いんじゃ無いだろうか。

だから、日本に観光旅行に来るインバウンドの中には、日本式の「Ryokan」に魅力を感じる人も多いので、それはそれとして一つのコンテンツとして有りだとは思うけれど、問題はそういう所の多くは何泊もすることは想定していないから、1泊、2泊ならまだしも、3泊、4泊と連泊していくと逆に毎日同じような食事が出されるように感じて、付加価値だったものがマイナスになってしまう。それなりに規模のある観光地ならば、近隣の飲食店と連携したりして夕食サービスを外に出すことも可能だろうけど、それだって観光客が集中するとどうしようも無い。かといって観光地にはどうしてもシーズンがあるから、ハイシーズンにあわせてしまうと、ローシーズンには閑古鳥が鳴いてしまうことも。

宿泊と食事だけ考えたら、例えばこう言う場所にキッチンカーを集めて、「食事難民」が生まれることを何とか回避出来ないだろうか。流石に毎日通うのは大変だろうから、キッチンカー用の設置スペースと宿泊施設を地元側が準備して、数日毎にローテーションを組んで必ず毎日数台から10台程度は営業してくれるような仕組みはどうだろうか。近くに調理場所(認証済みキッチンスペース)があれば、キッチンカー側も数日分の材料を持って移動してくれば、数日間の営業は出来るんじゃないだろうか。多分、食べる分が増えれば出す分も増えるだろうし、水道、ガス、電気、排水、ゴミ、色々な物がハイシーズンには限界を超えて発生するのだから、ハイシーズン様に柔軟に機能や容量を調節できるような仕組みも必要になる気がしますね。ただ、この越後湯沢みたいな場所だと、大雪や寒波などで孤立状態になることもあるだろうから、中々そういうフレキシブルなシステムを作ることも難しいのだろうなぁ... で、そういう所に海外資本など若い経営者が入ってきて、北海道のニセコみたいな「日本の中の外国化」みたいな事が進むんだろうか。

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