2025年2月7日

さらなる技術革新で解く

毎日新聞の記事から、利便性を目指して最近導入が進んでいるタッチパネル操作に対して、障害を持つ人達の不便さが逆に増しているという内容。私も技術者(エンジニア)の端くれなので、ここで書かれている問題点はよく理解出来るし、何とか解決したい。ビジネス観点からだと「制限事項」として、多分多数の問題無くタッチパネル操作できるユーザーを優先するのだろうけど、やはり技術というものは多くの人にこれまで以上の利便性や利益を提供するものであるべきだと考えるので、何か解決策を開発して提供するような世の中にしないと。そして、結果的にそれが日本製品や日本の差別化にも繋がると思うんですよね。

タッチパネルに関しては、視覚障害者の方が操作できないという指摘は至極最もだと思うんですが、そうで無い目も見える指操作も出来るような人に取っても、実はタッチパネル操作のUI(User Interface)は、各社というかその場面毎にカスタマイズされているので、最初の操作に戸惑うことも多いので実はまだまだ問題の多い仕組みだと個人的には思っています。例えば飲食店のメニューでは、多くの場合階層構造になっていて、例えば「ランチ」→「今日のお勧め」→「その他ランチメニュー」→「飲み物」→「清算」みたいな感じで、階層を行ったり来たりしないと行けない。この時に単に「戻る」という操作をする場合、

  1. 表示していた「一つ前の画面に戻る」(Windows Explorerの←)
  2. 構造的に「一つ上の画面(レイヤー)に戻る」(Windows Explorerの↑)
という二つの操作が考えられます。「戻る」ボタンを押しても、ある所では1番の振る舞いをするし、別のお店では2番の振る舞いをしたりするので、それ以外のお店ではどうなるか実際にやってみるまで分からない。また酷い場合には、一度階層を潜ると、言ったりキリできなくてまた「ホーム」で最初に戻らないといけない「一方通行」みたいな階層構造の場合もあります。 私は右端なり左端にそういう移動用ボタンを配置してくれて、さらに「Undo」機能のボタンがあると嬉しいのだけれど、それはそれで不満に感じる人もいるだろうしなかなか難しい。

個人的に思うのは、最近テーブルにQRコードを置いてスマホから注文する仕組みが増えていますが、あの仕組みを利用してQRコードからお店のサイトにアクセスするのではなく、QRコードからお店のメニュー構造を記載したXMLをダウンロードして、それを自分のスマホに入れてある汎用のメニューアプリに読み込ませると、自分好みのUIの中にお店のメニュー内容が配置される、何て言う事が出来ないだろうか。お店側は、メニュー構造のXML配布と、後はスマホから注文内容のデータを受けとれればいいわけだし、そんなに負担になら無いと思う。で、データを受けとるだけだから、スマホ側アプリを改善すれば、例えば音声出力でメニュー内容を発声して、音声入力でそこから選んで注文する、と言う事も可能だろうから、そうすると視覚障害者の方の負担も少しは軽減するかも。勿論、AIエージェントを利用して、更にスマートな音声だけのI/Fで完結するような仕組みも可能だと思いますよ。要は、テンプレートは自分のスマホで幾らでもカスタマイズ出来る分けだから、後はその中で使う「メニュー内容」というデータ構造のフォーマットを統一すればいいだけだから。

アナログ的な部分をデジタルで置き換えるというのが、今の技術革新での殆どのケースだと思うんですが、逆にデジタル化しないであえてアナログ化しても良い部分もあるかもしれません。例えば「配膳猫型ロボット」を、モードを変えて「注文伺い猫型ロボット」にして、入店時にお願いしたら専用の猫型ロボットが席への案内から、注文時には内蔵AIが対話しながら商品紹介と注文の受付までやってくれる、とか。あるいは、予めインストールしているアプリが、店舗に入ると自動的に反応して必要なガイドを提供するだけで無く、その時には店内のスタッフにアラートを飛ばして支援が自動的に受けられるようにするとか。100%完璧なシステムなんて作る事は不可能と言ってもいいくらい難しいけれど、だからこそ少しずつでも理想に近づくように技術が人を助ける仕組みや社会になると嬉しい。

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