2025年2月3日

コンプライアンスの差

フジテレビの問題に関して、色々評価は異なるだろうけれど、先日の10時間半にも及ぶ2回目の会見と、その直後に発覚した週刊文春のサイレント訂正記事の問題が相まって、何となくこれまでの勢いが減速していて、結局は3月末予定と言われる第三者委員会の発表待ち何だなと感じています。そもそも問題の内容がプライバシーに関わる話だし、当事者間では「示談」という形で一応の解決(妥協)が成立しているわけだから、本来ならば外野がとやかく言う話ではない。批評するにしても、フジテレビのコンプライアンス対策が十分だったのか適切だったのかという評価はするべきだと思うけれど、それだって当事者の状況を全く無しで検証出来るわけでは無いから、どうしても現状では限定的になるでしょう。第三者からの情報で再構築するという方法もあると思うけれど、その情報がどれだけ確からしいかは検証出来ないのだから、結局は伝聞でしか無い。

偶然だとは思うけれど、元TBSアナウンサーの生島ヒロシ氏が、不適切な行為・言動があったということで、30年近く続くラジオ番組を突然降板し、さらに活動も自粛するというが明らかに。生島氏は、現在は社長から退いて「相談役」になっているみたいですが、元々は生島氏が作った会社で、実質的なオーナーというか責任者と言っても良いくらい。別に煽るつもりは全く無いけれど、それだけ中心人物が不適切な行為があったというのに、その詳細はまぁプライバシーもあるから出せないとしても、会社としての責任はフジテレビみたいな要求しないのだろうか。フジテレビの場合は、当事者二人の関係をテレビ局関係者が取り持ったから問題だと当初言われていたけれど、それが文春のニュアンスが代わりそういう事実はないとフジテレビは当初から言っているわけです。でも、スポンサー企業を始め世間はフジテレビの責任を強烈に要求していることに対して、余りに差があるように感じるけどなぁ。生島氏の場合も、昨日今日の話では無さそうだし、やはり業界全体の問題と言うことじゃ無いだろうか。でも、それを言い出すと全てのメディア、芸能事務所、タレント、全員が討ち死にみたいな話しに成るから、何となくフジテレビを「被害担当艦」みたいな感じで注目を集めて、それでこの件を幕引きしようとしているような雰囲気も感じます。

ちょっとビックリしたのは、昨日夕方の日テレ系のニュースで、「フジテレビのスポンサー企業が、○○件がACジャパンに代わり、今でもCMを出しているのは△△軒です」 と、スポンサー企業の動向を伝えている。それって本来の問題とは直接関係内は無しですよね。それに、そう言うスポンサー離れが問題ではなく、プライバシーなりコンプライアンスが本来設定されていたプロセス通り対応されたのか、それで十分だったのか、というのが根本の話だと思うのに、なんでそう言う事は言わないのだろうか。例えば、海外の企業なり国内企業で、そういう対策が進んでいる企業の状況や仕組みを紹介するとか、そういう報道が今は必要なんじゃ無いのか。さらに言えば、昔からそう言う「武勇伝」というか、今の規準で言えばセクハラとかパワハラみたいな話は、幾らでもあったわけで、それを蒸し返せ・ほじくり返せとは言わないけれど、そう言う事に足しての反省なり対応なりというものを今は改めて確認する時期じゃないだろうか。

別にフジテレビの肩を持つわけでは無いけれど、大企業が一斉に広告供出を停止したのは、やっぱり勇み足だったと思うなぁ。最初にテレビ局局員が裏でお膳立てしたみたいな記事が週刊誌で出て、それでネット等からの圧力もあって停止したのだと思うけれど、まずは「警告」とか「注意」という形でフジテレビに対策を要求するべきだと思うし、1回目の港前社長の対応が不十分と思うならば、例えばこれからの契約を一旦保留にするとかして不快感を表すとか、まだやり方はあったと思うけどなあ。例えばフジテレビが「うちは無関係です」と白を切ったり、警告を無視して何も対策しないとか、そういう状況であれば停止するのも当然だと思うけれど、いきなり奥の手を出してしまっては、もし今後今回以上の事象が発生したらどうするんだろうか。フジテレビではいきなり厳しい対応をしつつ、でも重さでは比較できない同等の問題を発生させた別の事務所にはお詫びのメッセージだけで不問に付すような状況こそが、コンプライアンスとかハラスメントの視点から言ったら問題なのでは。

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