2025年1月17日

注文システム

佐々木俊尚氏が引用していた、最近の飲食店でよく見る自分のスマホから注文するシステムに関しての賛否。私も国内外で何度か経験していますが、個人的には多くの飲食店がこういう形に進むんだろうなと思います。特に今後インバウンド利用が増えることが予想される地域・店舗は、多言語化が出来ることが大きなメリットになると思いますね。

ただ課題もあって、例えばチェーン店とか系列店が複数あって、それらの店舗でメニューが共通利用出来るような場合には良いけれど、個人のお店などそんなに大きくないような店舗でこれを導入して利用するメリットは殆ど無いことも事実。あるいは、メニュー数が凄く限定されるようなお店も、それならばメニュー一枚を色々と翻訳したものを準備すれば良いだろうし、そこはケースバイケースがある事は事実。またシステムをどの様に構築するかにも寄りますが、例えば日替わりメニューとか今日のお勧めとか、その日だけのメニューや毎日どころか一日の中でも仕入れなどの状況で変わるようなものまでカバー出来ないと、売り切れの商品がずっと残ってしまうことにもなります。お店側で、どれだけ少ない手数(工程)で必要な情報提供出来るか、多分その辺りが最大の課題じゃないだろうか。同じような話で、日本のお店だと手書きメニューを店内に掲示してそれを見て注文するスタイルも多分システムに載せにくいだろうと思うのですが、例えばそのメニュー名とともにQRコードを並べて置いて、それをスマホでスキャンするとメニュー表示されて注文出来る、みたいな流れが出来れば良いんじゃ無いだろうか。毎日書き換えるのではなくある程度固定したメニュー名ならば、その文字の形状をパターン認識させて、それをQRコード代わりに認識パターンとしてAIに学習させても良いだろうし。店内にある表示全てを予めスキャンしておいて、それを最初に分類認識して置けば、変わった分だけ追加・削除すればいいだけですからね。問題は、カウンター形式のお店でスタッフとやり取りしながら注文するような場合かな。コース料理なら、最初に決めてしまえば良いけれど、アラカルトを追加していくような場合だとちょっと面倒かも。ただ、その場合でも予め予定しているメニュー一覧を表示させて、それを選択するとお店側にも分かるような仕組みにすれば良いのかな。

施設設備としては、やはりWANではなく店内でWi-Fiサービスがあり、そこに直ぐに簡単にアクセスできるようにして欲しいですよね。私も何度か経験しているけれど、地下のお店なんかだとWANが入らない場合もあるし、そうで無い場合でも建物内だとWANが届きづらい場所って結構有りますし。システム提供側は、その店内Wi-Fiシステム込みでパッケージして、店舗用の親機(これも店主のスマホに管理アプリを入れればOKとか)と店内用のAPをセットにして提供して欲しい。で、利用者は専用アプリを入れるのでは無く、ブラウザーペースでその場でネットアクセスしてサイトを開いたら、そこがメニュー画面になっているようにして欲しいですよね。何ならAPを小型にサーバーに設定して、Webサーバーをそこで動かしても良いんじゃ無いだろうか。注文の受け付けと店舗側への発注処理は、ローカルで回しても問題無い訳ですからね。サーバーのメンテナンスの時だけ外部ネットワークに接続してデータのやり取りをしても良いだろうし。Wi-Fiだと、海外からのお客さんでローミングサービスを利用していない場合でも利用出来るし、スマホを持っていないお客さんには中古のスマホをSIM無しでWi-Fiのみで貸しだしても良いですしね。それならタブレットを設置してもと言われそうだけれど、あれってタブレットを専用に準備しないといけないし、各席に電源も配置しないといけない。また、サイズが大きいから結構ドングルから取りだして使うのが面倒なんですよね。画面が大きくて見やすいというメリットはあるけれど、それ以外では不便な気がする。基本自分のスマホからなら、その設備投資も不要になるので、かなり初期投資も小さくなるだろうし。Wi-Fi APだって、それこそお店に良くある「招き猫」とか「花瓶」みたいな形で、店内のどこかに置けばOKみたいな形にすれば良いだろうし、場所が無いなら壁や天井に設置出来るようにすれば良いわけだし。

勿論全ての飲食店がこういうシステムを導入する必要は無くて、一定規模以上のチェーン店が一番恩恵を受けそうな気がします。個人経営の小規模なお店とか、高級店だったら、多分今でも出来ると思うんですが、ほぼリアルタイムで自動翻訳してくれるAI botを置いて、それに相互に翻訳させながら楽しむ、みたいな光景がこれから見られるんじゃ無いだろうか。それこそ、そのAI botは店内に貼られている手書きメニューの内容も事前学習していて、例えが海外のお客さんが「お勧めメニューのうち、甲殻類アレルギーがあるからそれ以外のメニューは何がある」とか聞いて、それに対して「○○と××が今日はお勧めですよ」と応える。「じゃぁ、それを二人前ずつお願い」と言うと、そのAI botが「大将、こちらに○○と××、お二人ずつご注文頂きました」とか代わりに言ってくれる様なシステム。AIコンシェルジェというか、AIフードコーディネーターというか、そんな仕組みがスグ出来るんじゃ無いだろうか。それこそ「OK Google」とか「Hey! Siri」の代わりに、自分のスマホに「注文良いですか」と発生したら「ご注文、承ります」とAIフロアースタッフエージェントが発動するような製品というかサービスが、今あっても不思議はない気がする。

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