2024年10月8日

路上飲酒

 ハロウィンが近づき、渋谷区だけでなく昨年そこから流れて問題となった新宿区も夜から早朝の路上飲酒禁止をするらしい。少し前までならば、結構おおらかな日本の常識の範囲でなんとか収まっていたものが、インバウンドの急増で訪日観光客が自分の国ではできないイベント的な要素も感じているんでしょうね、それが国内の人間にも伝搬してこちらも以前よりも羽目を外すようになり、結果より強い規制が必要になったという悪循環の見本のようなものだと思う。

訪日観光客が日本に来ていろいろな違いに驚くのだけれど、その中で自動販売機の多さもその一つですが、そこでアルコール飲料が販売されていることはある意味驚愕の事実だったりすると思う。少なくともアメリカなどでも、ビールとかワインなどの「ソフトリカー」はスーパーなどでも購入可能だけれど、それでもライセンスの提示(年齢確認)は必須だし、それを路上とか許可されている場所以外で飲めば捕まる行為に。日本なんか、そんなソフトリカーだけでなく、アルコール度数が高いサワー系だとはハイボールだって購入可能なんだから、そりゃぁ外国人も羽目を外したくなるでしょうね。しかも、注意されても日本語が分からないふりをすればなんとか免除されるわけだし。インバウンドが急増しだした5~6年位前から、とにかく日本に行ったら好きなときに好きなところでアルコール飲料が飲めると言うのが、訪日観光客のある意味常識みたいな感じになったような気がします。

昔は、行きすぎた行為だと近所のご意見番みたいな人が注意したし、回りでも諫める人も居たから何とか秩序が保たれたと思うけれど、もうそう言う人は逆にハラスメント扱いですからね。しかも日本人の特性として、外国人には何か遠慮してと言うか関わらないようにしたいという気持ちも、今でも強い気がするし。結局言い方は悪いけれど「旅の恥とも思っていないけれど、かき捨て」ている人を見て、「なら自分も」と悪循環がどんどん広がっている気がする。

例えば、車の運転で飲酒運転は厳罰だけれど、全国一律で「飲食店等許諾された場所以外での全国一律での飲酒禁止」として、例えばお祭りで振舞酒をするとか、何かイベントでアルコールを出す、みたいなときには、その都度申請制にしないと、今後は駄目なんじゃないだろうか。日本の互いに気を遣うような昔の状況ならば良かったけれど、今のように色々な人が色々な場所を訪問する時代では、やはり「性善説」ではなく「性悪説」に基づいたルール作りをするべきだと思う。人を疑うとか言う意味ではなくて、何か制限するときにどこを制限したら一番簡単で効率的で効果的か、という側面なんですよね。昔は、「節度」という規準が大体みんな同じ位の範囲で同じ位の程度で同じ位の度合いで持っていたけれど、今は色々な規準や内容の「節度」感をもった人が溢れているのだから、そこに一つの規準を設けることは問題無いし、その規準は元々その場所にいる人達の基準を標準に決めるのが一番自然だと思う。それによって、全員が納得出来る節度が出来れば、それが広がることもあるだろうし、さらに厳しくなることもあるのは仕方ないですよね。

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