2024年9月3日

鮫肌飛行機


Aviation Wireの記事から、ANAのB777-300ERに、ドイツルフトハンザが開発した「鮫肌フィルム」を貼り付けて、飛行中の空気抵抗を低減し、それによって燃料削減をしてCO2も削減するという話。

船舶が舟の底に特殊な塗料を塗って水の抵抗を減らしたり、潜水艦は回りにマスカー(空気の泡)を放出してやはり水の抵抗を減らすなどの話は聞いたことがあるけれど。面白いと思うのは、同じ空気抵抗を減らすにしても、鳥とか昆虫の生態を利用するのではなく、海洋生物であるサメの特徴を生かすという事。空気と水では密度が違うから、空中での軽減効果は1%と低いように感じるけれど、それでも航空機としてはかなりのものらしい。

鮫肌では無いけれど、最近の飛行機の主翼の先端は、殆どクルンと上向きになっているのも、翼端で発生する乱流を防ぐことで抵抗を減らす目的。矛盾していると思うのは、飛行機は機体を浮かせるために高速で移動しつつ何らかの空気抵抗を利用して浮力を得て浮くわけだから、仮に全く空気抵抗のない機体が出来たら飛ぶことが出来ない気がする。いかに空気と効率的に関係を作るかというのが飛行機の肝なんだろうけど、 将来的にはこの鮫肌部分が可変するようになって、その時の速度とか空気の密度に応じて形状とか並びとか制御して、より効率的な空気抵抗低減効果を得るようになるかも。

空を飛ぶ飛行機と海洋生物のサメって、何改質の組合せみたいな気がするけれど、考えてみたら鯨とかは既に空を点でいるわけだから不思議は無いか(笑)。飛行機自体は、船舶の延長というかその系統という認識なのか、用語なんかも船舶のものがそのまま使われていることも多いから、そう言う意味ではミスマッチでは無いのか。実際、魚の中でも空を飛ぶ(滑空する)「トビウオ」の形状は、飛行機そのものだしなぁ。そう言う微妙な関連性から、こう言う共通要素みたいなものを見つけていくと、予想外の技術が生まれてくるかも。そういう組合せを延々と検証するような作業って、AIが得意そうだし。

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