2024年8月15日

突然の退陣

昨日お昼前に突然速報で伝えられた、岸田総理の退陣。9月に予定されている自民党総裁選挙には出馬せず、そのまま総理大臣の地位も委譲するというのは、大きな決断だと思う。お昼前の会見では、外交関係の予定が一区切りついたため、所謂裏金問題等に関して、けじめを付けるために退陣するという説明でしたが、その裏金疑惑は旧安倍派の話だし正直岸田総理自身は被害者というか、貰い事故みたいな話だと思うんですよね。一方で、得意の外交関係は勿論、経済政策でも賃金アップはしていくし、日経平均も4万円を超える高値を記録するなど、やっと目処がついてきたとき。こういう段階で、理由は色々あるんだろうけど自ら退くというのは、その部分はちょっと無責任な気もします。 

故安倍氏が体調不良から突然退陣を発表した時は、右腕だった菅官房長官がその意志を継ぐものという暗黙の了解みたいなものがあったし、その菅氏が支持率低迷から降ろされたときも、その後を埋められるのは岸田さんしか居ないという、これも暗黙の了解みたいなものがあったら、それぞれ突然の退陣ではあっても何とか納得出来た気がします。でも今回は、「次」が見えない。世間一般では、判で押したように「石破、小泉、河野、高市」みたいな名前を伝えているけれど、いゃ彼らが総理の器だと本当に思っているのだろうか。失礼ながら石破氏はもう過去の人だし、小泉氏はお父さんのイメージが有るのかもしれないけれど、実績らしい実績は無い状態。河野氏は、デジタル庁長官としてそれなりの成果は残したと思うけれど、国のリーダーとしての大局観みたいなものが見えない。高市氏は、アメリカのハリス氏みたいな「初の女性宰相」みたいなバリューはあるかもしれないけれど、ちょっと危うい感じがするんですよね。それ以外にも何人かの名前が取り沙汰されているけれど、「総理大臣」という背景にしてイメージが沸かない人達ばかり。

女性宰相というのであれば、地元静岡選出の上川法相も候補らしいけれど、実力はあるんだろうけど今ひとつ人気というか知名度が足りなさそう。上川氏の名前が上がる前には、高市、野田、小渕、当たりの知名度に負けそうだし。ただ、総裁選の後秋の臨時国会では解散総選挙をして「信を問う」事は、新総裁としてまず最初の仕事になるだろうから、仮に女性宰相が誕生して、重要閣僚とか三役に女性議員が登用されると、世間の受けはかなり良くなり選挙も圧勝しそう。ただし、党内の軋轢は今以上に厳しくなって、その女性宰相の任期も1年とかそんなもので終わるかもしれない。ただ、アメリカの大統領選挙が、ハリス氏が今の優勢を維持して当選して、史上初の女性大統領になったとしたら、その時に日本の総理大臣も初の女性宰相ということだと、色々な意味で対比されて関係も深まりそうな気がする。ただ、ハリス氏にしても、日本の女性総理にしても、仕事をちゃんとやるだけの実力があるかと言われたときにどうなのか確信がないのだけれど。

この突然の発表受けて、立憲民主党の泉代表は「自民党は都合が悪くなると代表交代をして誤魔化してきた」みたいな事を言っていたのだけれど、なんでこの人(達)は願い通り「岸田退陣」したのだから、「直ぐに選挙をして政権選択させろ」と言わないのだろうか。少なくとも「次の臨時国会前に総裁が替わるのであれば、臨時国会冒頭での衆議院解散を確約しろ」くらい言わないと、これまでの発言と整合性がとれないのでは。それに、自分達も同時期に代表選挙をするわけで、本当に泉氏が再登板するのであれば、「私が勝つ」くらい言わないと。これで、既に立候補を表明している枝野氏が代表に再任されたら、「古い組織の立憲民主党に、憲政初の女性宰相の自民党」みたいな構図が生まれて、選挙戦も一方的になったりして。何度も書いているけれど、政治はまずは「経済」だと思う。折角上向きになってきている今の状況を、とにかく維持しつつさらにジワジワと緩やかな上昇基調を続けないといけない。それによって、社会保障にも余裕が生まれるだろうし、そこから外交とか防衛とか国としてやるべき部分にも注力出来るだろうし。ただ、今名前が出てきている人達の中に、そういう能力のありそうな候補は居ないような気がするんだよなぁ。まぁ、誰が次の総理になっても良いけれど、やっと上向き掛けてきた経済のモメンタムを潰すことだけは止めて欲しい。

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