2024年7月2日

視点が違う都知事候補

投票日まであと僅かとなった東京都都知事選挙。現状は、程度の差はあれ現職小池氏がリードしているものの、その小池氏を蓮舫氏が追い上げている構図は、どこも同様に報じている状況。残り数日の選挙期間でどれだけ追い上げられるのか、あるいは何か逆転するチャンスがあるのか、 終盤戦でますます激しい戦いになりそうな印象も受けます。小池氏は多分手堅く組織票を固めているんでしょうね。余り表に出ずに自らの失点を減らして逃げ切ろうとしている気がします。それ故に蓮舫氏の派手なパフォーマンスが目立つし、取り上げるメディアや媒体も多いけれど、場合によってはその派手さ激しさがマイナスになることもあるんじゃ無いだろうか。

都知事選の直前には、地元の静岡県知事選挙があり良くも悪くも全国的な注目を集めたわけです。その様子と比較すると、静岡県知事選挙は少なくとも各候補が自分達の政策を発表して政策の優劣を競っていたようにそれでも感じたのに、今回の都知事選挙ではとにかく「打倒小池」という事で、とにかく相手を否定することに重心が置かれているように感じられて、それって選挙じゃ無くて都知事リコールでもしているような印象を受けます。静岡県知事選挙が現職対新人という戦いでは無かったので、批判する相手がいなかった事も有るし、確か大村氏も鈴木氏も明確に川勝県政を肯定もしなかったけれど否定もしないという、所謂「後継者」という事は言わなかったと思うので、必然的に政策論争を進めるしか無い状況だったことはあると思う。それに対して、今回の都知事選は二期八年の小池都政に対しての信任選挙でもあるので、小池氏に対しての批判が出てくるのは仕方ない部分はあると思います。でも、その批判の中心がピント外れな神宮の森の話だったり、少子化対策子育て支援と言いつつも、具体的に何が今問題でどういう対策を提案しているのか今ひとつピンとこない。

TLに流れてくる色々な候補の状況を見ていると、組織票を持っている候補はまずは自組織を固めて、さらに他の組織あるいは無党派層をどれだけ取り込むのかと言うのが重要なゲームプランだと思うんですよね。ところが、蓮舫氏の場合は自身の組織で有る立憲民主党の票すら固め切れていない様子だし、無党派層からの支持も弱い。最大の弱点は、票を集めやすいと思う女性候補なのに、肝心な女性有権者からの支持が今ひとつ伸びていないと伝えられていて、いゃそれってすぐに対策するべき重要戦略だろうと思うのに、特にそういう運動も見られない。この週末も、繁華街の駅前での派手なパフォーマンスがTLにも数多く流れてきているけれど、あれって自分達が良く知っている「タレント蓮舫」を思い出せるだけで、同年代には受けない気がするんだけどなぁ。そういう時代を知らない若い世代には「乗りの良いおばちゃん」みたいな感じで受けるのかもしれないけれど。それに、ああいう乗りの選挙って、自分くらいの年代だとどうしても「オウム真理教」の選挙を彷彿させるわけで、余り良い印象は受けないし。選挙のやり方として、複数のライバル候補の中から一人だけ当選しないといけない、国会議員的選挙方法だなぁという印象を私は受けます。「都知事」なんだから、リーダーとしての資質、リーダーとしての統率力を有権者は選択するわけで、政党選挙とはかなり違うと思うのですが。

考えてみたら、自治体として色々問題を抱えている事も有るだろうけど、予算規模として下手な国家以上のものを持ち、日本の首都として人も組織も人材も一番集約されている土地に住んでいる人は、やっぱり何だかんだ言っても恵まれていると思うんですよね。公共交通機関一つとっても、東京ほど恵まれている場所は世界でも無いと思うし、生活するにしても色々な施設やサービスが幾らでもある。地方から見ていると、不満を言うなんて何て贅沢で我が儘なとつい感じてしまうくらい。そんな場所に生活している人達にしたら、そこに更に何を追加してくれるのかと言うのが重要で、色々ある問題をわざわざ取り上げられてもそんなに興味は無いんじゃ無いだろうか。例えば小池氏が突然を都税を5%アップすると言っていて、それに対して自分が都知事になったらそれを中止する、という提案ならば多くの支持が得られると思うんですよね。でも都内のごく一部の土地に関して、やれ住民投票だ、立ち止まってやり直しだというのは、都民からみたら築地の豊洲移転だとか、東京2020の会場の再考騒動とか、小池氏がやって来た失敗を繰り返しているように感じるんじゃ無いだろうか。そう言う意味でも、対案を提案したり提示するにしても、その選択肢とやり方が古いやり方というか、野党の国会議員的な発想だなぁと感じます。

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