2024年5月3日

タスクを切る

佐々木俊尚氏が紹介している、タスク管理に関しての話。「タスクを切る」と書かれているけれど、タスク管理、進捗管理の話とも言い換えられるのでは。ようは全体を幾つかの行程・チェックポイントに分解して、時系列あるいは依存関係で再構成して行くことだと思うから。

自分も規模や内容は異なるけれど、色々なプロジェクトを担当する仕事をしていて、それが時には複数のプロジェクトが平行して走ったりするから大変。そのプロジェクトの内容も、製品の企画からその製品の出荷までという入口と出口は変わらないけれど、その途中の行程は色々あったりするので、同時にスタートしたプロジェクトでも、過程や内容が異なったりするし、スケジュールも違う場合が普通。理想的には、同じような行程で同じようなスケジュールで動いてくれれば、複数のプロジェクトが並んで走っても何とかなるけれど、そう甘くないのがこの世界。

「タスクを切る」という言葉は、私自身今回初めて聞いたけれど、要するにフェーズを設定するというのか、全体という大元のタスクの中に、更に小さなタスクの群を作る仕事は有る程度経験も必要だけれど、タスクとタスクの切れ目というか境界線が見えるかどうかというのは、有る程度資質も影響すると思う。例えば、真面目な性格の人だと案外順番に一つずつタスクを完結して、最後にゴールするような考え方をしがちだと思うけれど、そういう性格では無い人だと、先に出来るところからかたづけようとか、先ずは時間の掛かりそうな所から手を付けるとか、案外順番よりは重要度とか手間の掛かることを優先して、結果的にそれが最後の追い込みで助けられたりします。言い回が悪いかもしれないけれど、ずぼらな人・怠け癖のある人が、案外そういう要領の良さを発揮する場合があったりしますよね。さらに言えば、一度決めたタスクを守ろうとするのも時には失敗の元で、色々仕事が走れば予想外の問題とか遅延も発生するわけで、柔軟にタスクを入れ替えたり変更したりすることが出来る人は、やはり余り経験とか知識に凝り固まっていない人の方が、そういう急場を凌ぐ能力は高い気がします。

今回の記事では、最初にタスクを任せたPM氏が何故選ばれたのか書かれていないので、若しかしたら初めての仕事だったのかな、あるいは幸運も有ってこれまで彼が担当した仕事には齟齬無く完了していて、実績はあったのか、それによっても違うんですが、やはりタスクの与え方というのも重要だと思うんですよね。書かれている内容だと、外注先からのと幸せにも答えていないというのは、もう仕事以前の話なわけで、多分今回以前にも同様の状況は発生していたと思います。そういう実績が、その会社の中あるいは組織の中で共有されていないということも、タスク管理以前の問題だと思う。つまり、ここでは「タスクを切る」という話が本質なのだけれど、もう少し高い視点からそういう能力評価がちゃんと出来る・されている仕組みなのかという部分も、重要だと思うんですよね。単に仕事が時間通り完了すれば「良し」と評価されるのでは無く、その仕事の後の製品の状況とか、コストとか問題の発生率とか、そういう振り返りみたいなものをして、それはその人の評価にも繋がるから慎重にするべき事だけれど、結果的に将来に繋がる「経験則」として、個人だけで無く組織・会社のスキルアップに繋がると思う。

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