2024年4月5日

バッテリーのカートリッジ化

BEV (Battery Electrical Vehicle) に関しては、その性能や走行距離よりも、バッテリー充電時間やその為のインフラ整備の課題が大きくて、多分まだまだ普及までには時間が掛かるだろうと思っています。そんな中で、バッテリー充電時間を大幅に短縮するアイデアの一つ、デジカメのバッテリーパックのように、BEVのバッテリーパックを丸ごと交換するシステムを、ENEOSと米国のAmple社が実証実験をするというニュースリリース

交換には5分程で完了すると言うけれど、それでもちょっと長いなぁ。それと、これと同じようなシステムを、数年位前に中国のBEVメーカーが上海だったかどこかの都市で提供しているようなニュースを見た記憶があるんですよね。特許とか、引っかからないのだろうか。中国の場合は、当時BEVメーカーが乱立していて、それぞれのメーカーが特色を出して自社規格に囲い込みを目指していた時だったように思います。当時も、アイデアとしては良いとしても、当然バッテリーパックの形状やインターフェースは統一しないといけないので、業界として乾電池のようなものを定義して行くか、まだまだ自社規格への囲い込みのために、コストダウンとか軽量化とか進むのだろうか。

国内のBEVでは、多分日産が一番実用化を進めていると思うのですが、彼らはこれからどういう方向性に進むのだろうか。日産のBEVのリーフだと、もともとのバッテリー容量が62kWhで、コストダウンモデル(走行距離は減る)で40kWhのモデルがあるらしい。また軽自動車のサクラは20kWhのバッテリーを搭載していて、満充電で120km位の走行距離を確保しているとの事。私が購入候補に挙げた、Lexus NX450h+が18.1kWhなので、実は軽BEVよりも少なく、車体重量も重いので満充電で80km位。正直、BEVというよりはBEV補助のHVという感じかなぁ。バッテリー容量は大きくしたいけれど、体積は小さくしたいし、重量も軽くしたい。ただ、それをやるとバッテリー走行距離は減るわけで、この辺りの塩梅が悩ましいところですよね。更に物理的に交換する事を考えると、形状的にも出し入れしやすい形にする必要があるだろうし、また場所的にも全体の重量バランスを考えないといけないから、なかなか難しい気がしますね。

ただ、バッテリー部分を車体外に出す事で、例えば充電作業をする時により高電圧で充電することも可能になるだろうし、時間的にもそれ単体で作業すれば良いので、例えば低電圧でバッテリーに優しいでも時間は掛かる充電作業も可能かもしれない。また、冬の寒い時期ならバッテリー本体を暖めつつ、夏の暑い時期には冷却しつつ、最適条件で充電も出来るだろうから、バッテリー寿命も延びそうな気がします。物理的なスペースや、充電するための電力をどれだけ引けるかにも寄るけれど、基本バッテリーパック交換作業だけで満充電状態になるのは、かなり今のBEVの利用制限を開放する気がします。課題は、そういう交換ステーションをどれだけの店舗数、どれだけの範囲に設置して、かつ混雑しても充電済みバッテリー在庫が枯渇するような事が無い運営が出来るかどうですよね。確か中国での前例も、対象はタクシーだったように、このENEOSも京都のMKタクシーでの実証実験らしい。交換する場所やタイミング等も考えると、一般利用車両よりも営業車の方が対応しやすいというのも正解だと思う。まずは国内での結果を見てみたいですね。

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