佐々木俊尚氏が引用していた、東京都新宿区の公園に設置された半円状のベンチに関して。
「近隣住民の要望を受け」「ホームレス対策でなく住宅地における夜間の騒音防止」と区長。実は妥協の産物ってこと多いよねえ。/「行政の悪意」と呼ばれた新宿区の『排除ベンチ』への批判に対して新宿区長が反論→メディアに行政側からきちんと反論を出すことの重要性がわかる https://t.co/DRVWnUXabi
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) March 29, 2024
元々は、某写真週刊誌が「ホームレス排除、行政の悪意」みたいな感じの記事を掲載していて、確かに水平で無い座面は寝たり横になったりする行為を排除する目的だけしからん、みたいな反応が一斉に発生。ところが、その新宿区長が自ら反論をして、これは深夜など公園で騒音発生があるので地元住民の要望により約30年前から接地されているもの、とその理由を説明。そう言われてみれば、「一時的に座って休む」という目的には必要十分だし、入らぬ騒動の元になりそうな水平座面のベンチをなくしたことで、近隣住民にも平穏がもたらされるならば、これはこれでちゃんとした理由と納得出来ます。
それでも、緊急に横になりたい場合にとか、異論を言う人も居るだろうけど、どんなことにも100%の解決策は存在しない以上は、誰のためにどう言う目的で解決策を提供するのか、その優先順位で考えるべきだと思う。そう言う意味では、やはり近隣住民や頻繁に利用する人の目的を優先するべきで、「万が一」とか「突発的利用」という事に関しては優先順位を下げるか、今回の検討対象から外すことも仕方ない。コレが例えば毎月のように自身が発生するような地帯で、その為にはベンチを利用した非常時用の設備も兼ねているとかの理由があれば、水平な座面にするべきとか、そう言う意見が優先されても良いとは思うんですけどね。
一番の問題は、偶々編集部にそういう意見が寄せられたのかもしれないけれど、その背景なり理由なりをちゃんと調べずに自分達の勝手な想像で記事にして後悔してしまうこと。少なくとも新宿区側にそういうベンチの設置理由なりを取材していれば、こんなことにはならなかっただろうし、それでも社会生活上問題だと考えるならば、そう言う事も含めて報道すれば良い。でも、ここは想像ですが、写真週刊誌という事も有るからか、一般的なベンチとは異なる形状のインパクトだけを狙って記事にしたようにも感じますね。で、こういう渋谷区区長の反論なんかのフォローもしない。結局言えることは、ああいう雑メディアの報道に関しては、直ぐに延髄反射するのでは無く、一週間位冷却期間をおいて再評価してから判断するべき。その時点でもう結論が出ていたり、騒がれていないようであれば、もう無視して良いんだろうな。
昔は「クオリティペーパー」と呼ばれていて、それなりに信頼もされていたメディアが、今では飛ばし記事みたいなものを平気で掲載していたり、中には意図的に歪曲しているのとすら感じるような内容を堂々と掲載して相手を批判していたりする場合も有る。結局は、自分達の会社がジリ貧である事も会って、読者を増やすどころか維持するにも汲々としている状態なので、どうしても過激なあるいは興味を引くような記事を連続しないといけない。となると、本来ならば「事実」を伝えるべき所を、有る程度脚色もするだろうし、中には「事実」を「真実」と言い換えて自分達のバイアスを正当化している事も。本来ならば、他者を検証するべき立場のメディアを、ネットが検証して初めてその内容の信義が分かるというのが、今の時代なんですよね。
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