2024年3月5日

レジ打ち

佐々木俊尚氏が紹介していた、レジ担当方式の理由に関して。海外だとよく見る「ベルトコンベアー式レジ」。日本国内だと、例えばCOSTCO何かもベルトコンベアー式じゃないかな。でも、テレビの特集なんかで見ると国内のCOSTCOのレジ担当者は立ってレジ打ちしているように思ったけれど。 顧客対応だとか、サービス精神とかでは無く、そのシステムの合理性を考えたら、座って対応した方が良い場合、立って対応した方が良い場合、それぞれという話。

記事の最後に、

ちなみにベルトコンベア式は、客がレジでベルトコンベアに品物を乗せ、会計したあともレジで直接鞄に詰めるせいで、日本のレジよりかなり時間がかかる。

と書いているけれど、確かにそういう側面もあるので、例えばWhole FoodsとかHurris Teaterとか高級スーパーの部類のお店だと、ベルトコンベアーの反対側にレジ打ち担当者とは別の担当者がいて、流れてくる品物をどんどん膨れに詰めてくれます。場合によっては、そのままその復路を駐車場の車にまで運んでもくれる。しかも「チップ不要です」と注意書きまで沿えて有るので、ある意味日本のスーパーよりもサービスは良いんじゃ無いだろうか。あれはあれで、律速段階になりそうな「品物詰め」を定員がやることで効率化して、しかも直ぐにレジ横から離れる事で、どんどん次の顧客に対してサービス出来るように効率化しているんでしょうね。その分担当者を余計に配置しないといけないけれど。だから国内のスーパー(イオンだけれど)も、まずは一番時間の掛かる「荷物詰め」の場所をレジとは分離して次の顧客に直ぐに対応出来るようにしているし、次の段階としてやはり時間が掛かる「会計処理」に関しても、レジとは分離して横の端末で支払処理をするようになっています。 滞留しやすい場所のバッファを増やして、効率的に処理出来るように工夫している様子が伺えますよね。

「立つ」「座る」は、その処理環境での合理性の追求だけれど、別の問題として「座って仕事をするのは怪しからん」というクレーム対策か、と言う疑問が念頭にあっての今回の記事だと思うんですよね。よく言われるのは、レジ係が水分補給をしていると「怪しからん」と言われるという話。最近では妄想言うことも言われなくなったんだろうけど、ちょっと昔だと担当者が髪の毛を染めていたり、ネイルをしていたり、ちょっと派手な化粧やアクセサリーをしていりすると、直ぐに「お客様の声」なんて言うコメントに書かれてしまうような次代もありました。そういう格好をしていると、レジ打ちの精度や効率に影響するならば納得するけれど、殆どの場合はそんなことは無い。単に見た目でお客さんが反応するだけだけれど、お店側としてクレームはクレームとして対応しなきゃいけないから、しわ寄せはレジ担当者に来てしまうわけですよね。海外でも似たような事例はあると思うけれど、それに対してお店側が言うべき事は言うと言う姿勢も強いから、どうしても日本の場合は弱腰というか「お客様は神様です」という言葉が浮かんでしまう。

ベルトコンベアーで思い浮かぶのは、冷凍食品なんかを作る工場で、流れ作業で加工したり分別したりしている様子。あれって、結構立ったまま仕事をしているように見えるんですが、あれはあれで、単に流れてくるものを手見ているだけで無くて、咄嗟に不良品とか不具合を判断して対応しないといけないから、ベルトコンベアーでも立って作業しているんだろうか。そう言えば、目視だけで不良品を検品するような人は、流れてくる商品に集中するためか、確か座ってじっとベルトコンベアーを眺めていた気がする。同じベルトコンベアーを利用した作業でも、目的とか作業内容が異なれば、効率化の意味も違ってくるんでしょうね。そう言う事も有るから、「座って仕事をするのは怪しからん」という誤解もでてくるんだろうなぁ。使用する器具の改善や機能拡張もあると、以前は良いと思われていた対応や姿勢も、新しい技術では別の方が良いという事も有るだろうし。企業側は、色々工夫をして改善していくけれど、顧客側はアップデートされないで昔の理解で接すると、そこに誤解や齟齬が生まれるのは、仕事でも有る話で、新技術や新機能を入れ込んだ選りすぐれ他製品を開発して提供しても、昔のやり方デザインになれているお客様からはクレームしか来ない、みたいな(笑)。どう伝えていくのか、「ナラティブ(Narrative/物語)」みたいな事が言われるけれど、そう言う事を上手く伝えられる環境というか姿勢というか、そう言うものが最近はより重要になってきている気がします。

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