2024年2月12日

春節休暇

今年は2月10日が中華圏の「旧正月」で、この10日前から所謂「春節」の長期休暇が始まります。一般的には、2月10日からの一週間がお休みなんだけれど、最近は先月の下旬くらいからもう休みに入る人・会社も多くて、仕事での中国方面とのやり取りはほぼブラックホール状態。仕事を始めてからは毎年の事なんだけれど、昔は本当に春節の時だけくらいがお休みだったのが、だんだんと長くなってきているのは、やはり中国社会の経済成長の影響も大きいんだろうなと感じます。

ここ数日の報道番組やニュースでも、「春節」「爆買い」というキーワードが何度も使われていて、コロナ禍前に大量に国内に来ていた中国からの訪日観光客への期待感も。まぁ、コロナ禍前は日本への訪日観光客の半分は中国からでしたからね。国内経済も、以前と比べてかなり回復してきていると思うけれど、やはりここ一番の起爆剤としての「爆買い」に期待するところも大きいんでしょう。でも、最近のニュースや報道を聞いていると、欧州やオセアニア・東南アジアからの訪日観光客の増加で、コロナ禍以前くらいの消費は取り戻しているという話も聞こえてきていて、以前のような爆買いに支えられているような雰囲気は薄くなってきている気がします。実際飲食店などは、既に需用一杯で、個々にさらに中国からの春節観光客を受け入れる余裕はないみたいなコメントをしている店主さんも居たし。

中国の人口は約13億人なのに、この春節期間中に移動する国民は「のべ90億人」と発表されているとのこと。どういう計算なのか良く分からないのだけれど、どうも春節期間を含めた40日間に移動する人数をカウントして「90億人」と言っているらしい。ただ、この数字も中国政府の意図的なものがあって、停滞気味の国内経済に活を入れつつ国民の不満をそらす目的も有るとか無いとか。確か数年前くらいまでは、この春節期間中に移動する実質に近い数字が出されていたから、確か多くても10億人とかそんな数字だった気がします。流石に全ての国民が移動をしてしまっては社会インフラだって機能停止してしまうし。あと、以前もそういう現地コメントを聞いた記憶はあるんですが、経済的に恵まれていない層の人達は逆に人手不足になるこの期間に稼ごうとしていて、そのコメントの度合いが今回は多いように感じましたね。

素朴な疑問として、中国政府は福島第一原発からの処理水海洋放出を批判して、日本への渡航制限を掛けているはずなのに、それでも日本に来て爆買いするほどの訪日観光客があるのか、ということ。確か団体旅行は制限されているけれど、富裕層などの個人旅行は可能なので、今日本に来ている中国からの訪日観光客はそういう人達が殆ど何でしょうね。で、そういう人達というのは、 すでに物の購入フェーズは終了していて「事の体験」中心の訪日目的になっているらしい。だから、日本らしさの体験を求めて、色々な参加型イベントや、あと日本人でも馴染みの内容な地方への移動が多いらしい。より付加価値の高い国内消費が期待出来る一方で、訪日観光客になれない地方の観光関連施設や飲食関係の人達は戸惑うことも多いかも。まぁ、コロナ禍もあって、ものの購入関してはネット経由でという仕組みが完了しているので、わざわざ現地に行ってその場で購入するというのは、今後はますます減っていく気がします。そう言う意味では、以前のようなシーンでの「爆買い」を連呼することは、このブームが一段落したときの落とし穴になりそうな気がする。実はこの連休中に買い物をするために自宅近くのイオンモールに行ったら、いつも以上に中国語らしき会話が耳に入ってきたのだけれど、浜松にも滞在している人が多いのだろうか。今週は少しザワザワするのかも。

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