2024年1月21日

マイナ批判は鉄板記事

佐々木俊尚氏が再び取り上げていた、マイナ保険証に対しての危機感を煽るような新聞記事。佐々木氏も指摘されているように、記事の中ではマイナンバーカードに内蔵されている顔写真データが、印刷された顔写真でも認識されてしまうことを問題点として指摘しているけれど、今の保険証にはその「顔写真」すら無い事には言及しない。さらに言えば、印刷された顔写真を病院の端末で掲げていたら、普通は不審に思うだろうし、ましてやその顔写真と本人の顔が違えば、病院スタッフが疑念を持つだろう事も言わない。今の健康保険証だと、そんなスクリーニングすらもないので、もっと簡単に悪用しようと思えば出来るのに、そのリスクは指摘しない意図的な記事と言って良いのでは。

さらに記事の中では、

長崎県保険医協会が23年10月に県内337医療機関に実施したアンケートでは18機関で現行保険証でのなりすまし受診があり、

と現行健康保険証の問題点を認識指摘しながら、同じ手法でマイナ保険証も悪用できると言及している。確かに暗証番号を聞いておけば、手続き上は通過する事は出来るかもしれないけれど、マイナ保険証なら顔写真が印刷されているから、そこで一つ本人と違うかどうかのスクリーニングが可能。もう一つは、マイナ保険証にすれば治療履歴や通院履歴がそこに紐付けされていて参照出来るから、例えば盲腸の手術を二回したとか、肺癌の手術をしたはずなのにその手術痕が無いとか、更にスクリーニング出来る条件が生まれるはず。完全に成りすましを防ぐことは出来ないだろうけど(それは、指紋認証に網膜認証、あるいはDNA認証みたいな本人自身の要素を使わない限り無理だと思うけれど)、今の健康保険証よりもかなり不正行為は防ぐことは可能。勿論、病院側もしっかりと確認作業をする必要があるわけで、そこは病院側の意識改革も必要だけれど、

「なりすまし受診を防ぐにはマイナ保険証の目視確認などが必要となり、今よりも余計に手間暇がかかる。本末転倒で、混乱が広がる恐れがある」

何てことを本当に言っているのだろうか。つまり、今は目視確認だけで無く、もっと簡単な確認、極端な話保険証を出されたらそのまま信用する位の作業しかして居ないと言っているようにも聞こえるのだけれど。それって、保険業務の怠慢なのでは。例えば、外国人の人が健康保険証を使用するときに、その使命だけでは性別が判断出来ないので、極端な場合は男性の健康保険証を女性が不正利用しても分からない(確認のしようが無い)という場合あるらしい。そういう不正行為が発生していて、少なくない被害が発生していて、場合によってはその人の生命にも関わるような自体も想定されるのに、完全ではないから以降するべきでは無い、というのは理解出来ない反論。

で、マイナンバーカードを批判するときのお決まりの文句で「マイナンバーカードは不完全」「リスクがあるから新しい制度を」と言うけれど、そういう意見を重ねて今のマイナンバーカードが生まれてきたわけで、また作り直しても同じ反論・同じ意見が出てきて批判するだけだろうし。技術的に可能なのかと言う事も含めて、今できる範囲でいしかし使い勝手や安全性も加味した範囲で言えば、今のマイナンバーカードはかなりよくできていると私は思いますよ。良く「4桁の暗証番号が」と言うけれど、クレジットカードの暗証番号(PIN)だって4桁だし、それ以上に設定されているSNSのパスワードでも破られることはあるわけだし。何か、記事のネタが枯れたときに、取りあえずマイナ保険証批判を掲載しとけば、何か仕事している気になるし読者からも喜ばれるという「都市伝説」が新聞社にはあるのだろうか。

 

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