2024年1月12日

生の声

佐々木俊尚氏が照会していた、先日のJAL機と海上保安庁機との衝突事故の搭乗者によるインタピュー記事。メディアでは「奇跡の18分間」と言われ、JALの乗務員の冷静な対応や脱出時に荷物等を持ち出して混乱しなかった乗客の対応が賞賛されていたけれど、一方で外野のノイズも多くて本来優先されるべき事故原因の究明と対策よりも、ゴシップに興味が移りそうな空気も感じられました。ただ、こう言う冷静な記事が公開されて、本音を言えばもっと拡散されると本当に必要な対策が将来に向けて準備出来ると思うのだけれど。

一般メディアでは、子供の叫ぶ声とかペットの扱い等、正直今回の事件とその対策(脱出方法)には無関係な話が一時的に大きく取り上げられたけれど、こう言う真摯な内容の記事を読んで当時の状況を垣間見ることが出来る事と、

今回のことですごく感じたのは当事者じゃない方の声が大きいな、ということです。

記事の中でも指摘されているように、いかに周りの声の大きな人の発言が中心になっていく状況が良く理解出来ます。それは、能登半島地震でも同様だし、過去の大きな災害や事件でも同様。一番の問題は、当事者の声を取り上げているような雰囲気をしつつも、実は発言の内容や真意が歪曲されていて、本人からも否定されるような事が本人の声として拡散すること。今更だけれど、既存メディアの存在意義がどんどん小さくなっていくことを今回の件でも感じますね。

余り報道では取り上げられないけれど、今回の衝突事故がC滑走路で発生した事も有り、事故後の救助作業などでは第2ターミナルを拠点にしているANAのスタッフも多く駆けつけて援助したという話も。そりゃぁ駐機しているターミナルの目の前で大きな爆発事故が発生したら、まずは駆けつけるだろうけど、だからと言ってその後の活動がしっかりしていないと、やはり犠牲者無しで400人近い人間があれだけの現場から避難できなかったでしょうし。ANAにしてもJALにしても、自分達の行動を誇ることは無くこれからも淡々と必要な訓練をして必要な準備をして、再発することは決して望まないけれど、若しかしたら発生するかもしれない万が一万万が一の場合に備えていくだけでしょうね。そういう気持ちが、未然に事故を回避させ、仮に発生した場合にも最善の結果をもたらすものだと思う。

飛行機に搭乗して離陸前には必ず安全ビデオあるいはCAさんによる安全手順の説明があるわけですが、その時に必ず言われるのが「脱出時には何も持たずに」という事で、今回の事故ではその行動の必要性重要姓がいみじくも証明される事象になったと思います。とはいえ、出来れば財布とかスマホとか重要なものに関しては救いたいわけで、そのジレンマは今後も続くでしょうね。自分は、上着やジャケットを着用している時には、少し前からCAさんに預けることはせずに自分の座席の前に掛けておくか着用したままにするようになったんですが、それはジャケット等のポケットにスマホや財布などを入れておけるから。ジーンズやスラックスのポケットだけだと足りないんですよね。あるいは、今後はウエストポーチにひとまとめにして、それを常に身につけておくようにするとか、まぁそういう最低限の自己防衛・自己対策は考えた方がいいかもしれませんね。乗客の方々は、多分まだ精神的な葛藤は残っているだろうけど、静かにしておいて上げたい気持ちもあるんですが、一方で余計なノイズを消去するためにも、こういう生の声を発信して欲しいなという気持ちもあります。そう言う意味では、内容とタイミング的には良記事だと思いますね。

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