2024年1月7日

責任者は動かず

能登半島地震では、地形的なこともあり貧弱な道路網が寸断されており、被災地への迅速な支援供給のためにも、自衛隊や自治体など、団体による支援以外の個人的ボランティアや地元選出の政治家の訪問すら「今暫く控えるように」と何度も伝えられています。それなのに、所謂「迷惑系YouTuber」や有名人などが、「政府の手の回らない部分も多い」と言い訳をして現地に入っているのだけれど、正直売名行為以外の何物でも無いと思う。本当に助けが必要で自分が何とかしたいと思うなら、無名のまま静かに現地に行き必要な作業だけやってサッサと戻れば良いと思う。一人が「私は行きます」なんて公に言えば、それに刺激されて「自分も」という人間は必ずどこかから沸いてくるものだし。

それとは別に、何故岸田総理は現地に直ぐに飛ばないのか、みたいな事がネットでも多く言われているけれど、それぞれの役割と言うものがある以上、災害時レスキューの技術や知識や経験があるとは思えない岸田総理が現地に入るよりは、より専門的なスキルを持った人間が今は現地にいるべきフェーズ。岸田総理の仕事は、状況把握をしつつ、必要な場所に必要な時に必要な権限を与えて遅延無く必要な作業が進む様にすること。その為には、彼が直接全ての情報把握をすることは無理だししたとしても処理しきれないだろうから、出来るだけ下部組織に権限委譲をして、それで間に合わないときには岸田総理が即決出来るようにするのが今の彼の役割。それは別に政治システムだからでもなく、普通の会社組織や開発の場でも普通はそう言う形態にして、効率良く製品開発するもの。最高責任者が全ての事側を知っても、別に彼がそれら全ての問題解決出来る能力を持っているわけではありませんからね。それらの仕事は、それぞれの専門的なスキルを持ったスペシャリスト。プロフェッショナリストに任せれば良いだけの話し。

今回与野党が統一見解として、混乱を招かないように早急に現地に入ることはせずに、落ち着いてから現場の状況を見て適材適所の対策をすることに合意したらしい。でも、その場には呼ばれなかった(?)、行かなかった某政党の代表は、現地の状況を中央の政治家は知るべきと言いつつも、特段全く知られていないような情報を彼が発信しているわけでは無く、逆にルール無視の行為や現地では食糧不足が言われているのに現地の炊き出しを食べるなど、自分勝手な行動が批判を呼ぶことに。元俳優・タレントだから、そういう「見栄えの良い行動・行為」に関しては無意識に出てしまうのかもしれないけれど、日頃そういう行為を与党の政治家等に対しては批判しているわけで、そこはダブルスタンダードだよなぁ。

例えば、彼の政党には移動すらままならない障害を持っている議員さんも所属しているわけです。そういう人達の観点から、被災地での障害者支援の必要性だとか、実際に健常者でも移動がままならない中もっと移動に対して負担を抱えて居るであろう被災地の障害者に対して、特例としてボランティアでの介助者を現地に投入するように要望するとか、壊れたかもしれない車いすや電動車いすを集めて送るとか、彼らの政党だから見逃されそうなでも現地でのニーズも高いであろう支援も出来ると思うんですよね。でも実際にやっているのは、党首自ら現地に入り「被害が酷い」と言いながら炊き出しのカレーを食べてくること。そう言う事は、現地に既に入っている自衛隊とか消防とか災害支援のプロに任せれば良いと思う。政治家なのだから、政治家でしか出来ない事に今は集中するべきだと思う。だからこそ、責任者は最後の砦として動かずに、いかに自分の部下やスタッフを効率的に動かしてゴールに向かうかと言う所が、責任者としての最大にして唯一の仕事だと思う。実際、能登半島地震発生の後には、羽田空港での衝突事故も発生したわけで、もし岸田総理が能登に行っていたら「何故羽田は無視する」みたいな事を言われただろうなぁ。 

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