2023年11月30日

不死鳥は再生する

日本大学フェニックス」と言うチームに関しては、自分くらいの世代でアメフトに少しでもかかわった人間ならば、やはり大きな意味と存在感を持つ名前である事は確か。私が初めて「アメリカンフットボール」に触れたのは、中学生時代に当時黄金時代を築いていたNFL Miami DOLPHINESの事を何故か友人が知っていて、「凄いスポーツがある」と盛んに進めてきたところから。これが1970年代。その後大学に入り、ひょんな事からアメフト部創設メンバーとなり、そうなると当然気になるチームの一つが、日大フェニックスだっのが1980年代に入ってから。当時は、「西の関学、東の日大」二強時代で、ショットガンが国内フットボール界で猛威をふるっていた時代。今のXリーグの前進となる社会人チーム、実業団チームがぼつぼつと生まれてきていたタイミングでしたが、「大学OBチーム」程度の実力で、学生チームの方が上まわっていた時代。東だと日本大学と日体大OBで作られたシルバースターが唯一大学とまともな試合が出来るくらいの状況じゃ無かっただろうか。

その日大フェニックスは、当時の篠竹幹夫監督の良くも悪くもカリスマ性で作られていたチームだけに、ライバルチームによる研究が進み、篠竹氏自身も高齢化とともに以前のようなコーチが難しくなってきた事も有ってか、1990年のリーグ優勝を最後に2007年にリーグ優勝するまで、20年近く低迷するんですよね。その後は関東のトップリーグで常に優勝争いに名前が出るくらいの強豪チームに戻ったけれど、2018年の所謂「悪質タックル事件」で全ての歯車が狂ってしまったような印象です。

今の所の報道では、日本大学としてはアメフト部を廃部してこの問題に決着を付けようとしているみたいなんですが、その前に前提となった部内の大麻事件が、既に逮捕されている三人だけの問題なのか、それ以上に実は関係者がいて部として機能していなかったのか、その当たりが良く分からない。前者の場合ならば、例えば今シーズンの活動禁止とか、何らかの制限を課すことでチームとして存続することに問題は無いと思うけれど、後者の場合は廃部も復命されに言えば当事者として日本大学側の責任も有る話だと思うんですよね。学長と副学長の辞任が要求されて、林真理子理事長も減給処分となるらしいけれど、他の部活動では問題なのか、所謂体育会系の部以外ではどうなのか、そういう部分の情報が無くて、何か廃部にすることで損切り逃げ切りみたいな印象しか受けない。そうなると、今回の事件に関係無かった部員や関係者にとっては飛んだとバッチリというか、納得出来ない所だろうなあ。特に1年生2年生なんかは、悪質タックル問題から再生して、多分かなり請われて入部した選手も多いだろうし、それが入った途端にこんな形になってしまうのは、フットボールだけで無く自分達の人生を否定されたように感じないだろうか。

こう言う事で比較して申し訳ないけれど、同志社大学アメフト部でも暴行事件が昨年発生して、4人の元部員が逮捕実刑判決が出たけれど、チームとしての活動は続けている。奇しくも、悪質暴行事件で崩壊しそうだった日大フェニックスのヘッドコーチ公募に応募して、何とか立て直したのが橋爪功ヘッドコーチ。ところが2年の契約が終了すると契約更新とはならず、そこから同志社大学ヘッドコーチに就任したらこの暴行事件で何とも巡り合わせの悪い話し。仮に橋詰氏がそのままヘッドコーチを続けていたら、今回大麻事件で逮捕された3人は生まれていたのだろうか。気になるのは、橋詰氏が選手主導のチーム体制にしたことで、以前のような厳しいチーム管理状態が緩み、そこに大麻等が入る余地が生まれたみたいな記事を出しているメディアもいるけれど、悪質タックル事件の時にあれだけ旧態依然とした指導方法が問題みたいな批判をしていたのは何だったんだろう。メディアのいい加減さは、今に始まったことでは無いけれど、それ以上にはっきりしないばかりか何か保身だけに走っている日本大学当事者の態度というか様子が一番納得いかない気がする。廃部の決定は、多分覆らないのだろうけど、フェニックス所属部員は、出来るだけ学生生活とフットボールを続けて欲しいですよね。他校に転入する、日本大学の学部別のチームに入る、あとXリーグに入る事も条件づきで出来るらしい。是非何らかの形で良いから、この後もフットボールと繋がりを保ち続けていて欲しいですね。

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