全国ニュースでも何度も取り上げられている、伊豆の国市で発生したお祭りで使用した山車転倒事故。下り坂を山車が下る時に、ブレーキが上手く動作せずに坂道を暴走して転倒したと当初伝えられていて、何でそんな単純な事が予見・防止出来なかったのかよく分かりませんでした。その後報道が続くと、4年振りのお祭りで以前の経験者が少なく、その為に坂道を下る時に上手く出来なかったという話に。とは言っても、坂道をあれだけの重量の有るものが降りてくるのだから、上の方からロープとかで引っ張りつつ少しずつ下ることくらい出来ないのかなと不思議でした。
で、こちらの記事では現地の地形も書かれていて、これでやっと状況が理解出来た気がします。橋を渡って、左手の下り坂を下りるのだけれど、そのままだと坂道をそのまま下って危ないので、一度先頭を上り坂に向けて山車のお尻を坂道の下り側にスイッチバックして、その状態でゆっくりと降りるのが本来の手順らしい。
記事によれば、コロナ禍もあり4年振りのお祭りで、さらに担当した地区としては5年振りになるらしい。登場ならば2~3年に一度位で地区ごとに交代していたのかな。ただ、5年振りくらいならまだ以前担当していた人とかそれなりに残っていただろうし、そういう人達が実際に手を貸さなくても監査役みたいな形で指導とか出来なかったのだろうか。それに、今回犠牲になった無くなった人は、このお祭りの責任者の一人だったらしいけれど、70歳代の方なので過去何度もこのお祭りを経験していて、どの様に山車を坂道を降ろすのかも何度も経験していたと思うのだけれど。とは言っても、どんな仕事でも幾ら何回も何年も繰り返して経験していても、ふと魔が差すというかついうっかりというか、予想もしないような単純ミスが生まれてしまうことは残念ながらあるんですよね。「慣れ」というのか、今回の事も5年振りとはいえ自分は何度も経験しているからつい慣れで肝心なところでのスイッチバックを忘れて、そのまま坂道を下ってしまったのかもしれない。
もう一つは、テレビの映像を見ていたら、この坂道を下る時には、後ろ側にロープで車体を引いてプレー機を賭けるとともに、前輪の車輪の所につっかえ棒みたいな棒を入れてブレーキ代わりにして、それで後ろから引っ張っていても一気に下らないように少しずつ降ろしていたらしい。若しかしたら、スイッチバックせずに前進した時には、このつっかえ棒のブレーキで止められる・制御できると思ったのかなぁ。それでも、車を引っ張る側が下る方向に向くというのはどう考えても合理性に欠けるけれど、その場に居た時には周りの雰囲気とかに流されて、つい普通の車の左折みたいな感じで曲がってしまい、そこから戻すいとまもなく坂道を下ってしまったのだろうなぁ。山車に乗っていた子供達に命の危険が無かったことだけはせめてもの救いだけれど、大きすぎる教訓になって残念。でも、コロナ禍の4年5年のブラックアウトは、色々な場所でこう言う「知識・経験の断絶」を生んでいるので、今年や来年はしつこいくらいの手順確認や現場での注意が必要だと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿