年々過激化する「ハロウィン」に加えて、今年はコロナ禍開けの反動の大きさも考慮されて、とうとう渋谷区は渋谷駅周辺に「来ないでください」と張り紙するまでの事態に。シンボルの「ハチ公像」を明日まで隠したり、無責任飲酒を制限するために酒類の路上飲みを禁止したりと、これまで以上の対策を打っている様子。その為か、例年は本番の今日以前から渋谷のスクランブル交差点やあの周辺は、仮装した人出でごった返すのに、今年は仮装している人も少なくそんなに混雑していない様子。とはいえ、これまではコスプレや仮装したり、手軽に盛り上げるイベントだった「日本版ハロウィン」が、大きく変わってきたことは確か。
元々日本では、アニメの影響からコスプレが盛んで、それがハロウィンの仮装と結びついた影響は大きいんじゃ無いだろうか。海外でも、この時期になると普通に仮装して仕事とかしている人も見受けられるけれど、一度その気になった時の「本気度」は、日本人は負けないですからね(嘘)。海外の場合は、TDRとかに行って、ミッキーなんかのカチューシャを付けたり、何かかぶり物をするくらいのレベルだと思うけれど、日本の場合は完全にそのキャラクターになりきりと言うか、とにかく完成度を求めるのが日本人の悪い癖というか。私がこの「ハロウィン」の洗礼を受けたのは、30年以上前の2回目めの アメリカ出張の時。丁度ハロウィン直前に現地に行くことになり、先に出張していた先輩社員達から、会社でハロウィンパーティーがあるから、東急ハンズ(当時、現ハンズ)へ行って、仮装用の衣装や小道具にハロウィン用の料理をするから調理器具とか材料をハンドキャリーするように言明されて、それで出発の前の週末にハンズへ大量に買い出しにいったところから。で、出張して現地での初仕事はハロウィン用の和食作り(確かお握りを大量に製造した記憶がある)と、コスチュームの効果的な使い方だったなぁ(笑)。
持ち込んだ中で一番人気だったのは、侍のちょんまげのゴム製カツラと模造刀で、これは向こうのエンジニア達から「欲しい、頂戴」と抽選会になったくらい。これが1989年の10月末だったので、その頃には日本にも「ハロウィン」という言葉は浸透していたけれど、精々家庭内でちょっとしたパーティーをやるくらい、あるいは忘年会のネタ仕込みくらいの位置付けだったと思います。それが今では、バレンタインデーに匹敵する位の国民的行事になりつつあるわけですからね。ハロウィン自体は、私も誤解していましたがキリスト教由来の行事では無く古代ケルト人の宗教的なお祭りで、アイルランドから各地へ移民が運んでいき世界的に広まってきたものらしい。そう言う意味では、日本で日本風の味付けがされることも悪いことでは無いと思うけれど、「渋谷」という世界的にも有名な観光地が聖地みたいな感じで大々的に知られてしまって、それでだんだんと収拾が付かなくなってきたと言う事も言えそうですよね。今年は事実上禁止した渋谷に対して、池袋ではコスプレのパレードみたいな事をやって好評らしいので、渋谷でも来年は地域を区切ってやってみるのは良いかもしれない。例えばスクランブル交差点を渡った、109を起点にして、道玄坂を昇って奥でぐるっとUターンをしてセンター街を戻ってくる巡回道路をその区域にして見るとかどうだろうか。
もう一つ今年問題になったのは、アルコールの缶やペットボトルが散乱することだけれど、やっぱり昔のようにゴミ箱を街中の一部には戻すべきでは無いだろうか。オウム真理教のサリン事件以来、街中のゴミ箱は一掃されてしまって、それでも日本人の性質の良さから街の美観は保たれているけれど、それがだんだんと崩れてきているのも事実だと思う。単にゴミ箱だけ戻せば良いという問題では無いのが悩ましい所だけれど、街中で消えたゴミ箱の影響をコンビニとか目立たない路地裏辺りが受けていることも事実なわけですし。ハロウィンというイベント対策という事だけで無く、人流が戻り始めた繁華街だったり観光地においては、無理に日本の美徳みたいなものを誇るよりは、現実的な対策をしっかり準備して守る方が必要だと思います。上手く日本風に取り込んでいけるアイデアを、来年は考えたいですよね。
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